簡潔さを磨く 2級:例文1

書類準備では「何を書くか」とともに「どう書くか」に注意すると,ぐっと魅力が増します.
研究費の申請書としてどこに着目して,どのように改めるのが効果的でしょうか.
実際の申請書を例に,推敲力を磨いていきましょう.

※実際の申請書からの抜粋を基本としていますが,申請者が特定できないように,内容に関しては架空の化学反応・テーマ・語句に改めている箇所があります.

例文:どこが良くないか考えてみよう

本研究の目的は,学校給食を扱った教員養成段階における授業→教育実習→初任者研修の一連のプログラムを開発することである.食育の生きた教材とも言われる学校給食ではあるが,単に食事を提供すればよいと誤解している教師もいる.教員予備軍や初任者に必要な指導を行わなくして,食育の充実と継続は難しい.教員養成段階において学校給食を扱った授業を提供している大学は僅少である.給食を扱った授業については検討済みであり,今回は,教育実習及び初任者研修における給食指導の実態把握に努めるとともに,収集した事例を参考に給食指導に必要な力量形成を図る教員養成段階から初任者研修に至る一連のプログラムを開発する.

推敲力養成道場:目次

児島 将康

(久留米大学客員教授,ジーラント株式会社代表取締役)

書籍「科研費獲得の方法とコツ」「科研費申請書の赤ペン添削ハンドブック」著者.毎年の科研費公募シーズン前後に20件近くの科研費セミナーで講演し,理系・文系を問わず申請書の添削指導を行っている.令和6年4月より研究者を支援するジーラント株式会社(https://g-rant.org/)を立ち上げ,活動している.

科研費に関する書籍・ウェビナーや制度の変更点など,科研費申請に役立つ情報を発信しております.
研究生活の役に立つ書籍なども少しご紹介しています.