研究室でお夜食を
村上義彦

第16回　融合？ただ混ぜただけ？

私は個人的には，ある分野を突き詰めていくような研究テーマよりも，異分野融合によって新しい概念や特徴を生み出していく研究テーマが好きです．でも意外と難しいのは，融合したからこその成果が実際に生み出される場合もあれば，生み出されていない場合もあることでしょうか．「AとBを組み合わせることによって，Cという新しい技術を開発しました」「これはA（この場合，Aはその分野で流行っている分子です）の新しい用途を生み出したという点で，意義深いと思います」という内容の研究発表をよく見かけますが，多くの場合は，Aを使わなくてももっと簡単に高性能な系を構築できそうな印象があります．これは「融合」ではなく，Aという分子の流行に乗っているだけですよね．

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