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抑制性細胞の抗腫瘍免疫応答への影響

Effects of immunosuppressive cells on antitumor immune responses
岩澤智裕,熊谷尚悟,西川博嘉
Tomohiro Iwasawa1)2)/Shogo Kumagai1)/Hiroyoshi Nishikawa1)3):Division of Cancer Immunology, Research Institute/Exploratory Oncology Rsearch & Clinical Trial Center(EPOC),National Cancer Center 1)/Department of Urology, Keio University Graduate School of Medicine2)/Department of Immunology, Nagoya University Graduate School of Medicine3)(国立がん研究センター研究所腫瘍免疫研究分野/先端医療開発センター免疫トランスレーショナルリサーチ分野1)/慶應義塾大学大学院医学研究科 泌尿器科学2)/名古屋大学大学院医学系研究科微生物・免疫学講座分子細胞免疫学3)
10.18958/7133-00001-0000231-00

抗腫瘍免疫応答の抑制にかかわる細胞として制御性T細胞(Treg),骨髄由来抑制細胞(MDSC),腫瘍関連マクロファージ(TAM),抑制性の樹状細胞(mregDC)などが知られている.がん微小環境のなかで,これらの抑制性免疫細胞は直接的にもしくはさまざまなサイトカインや代謝産物を通じてエフェクターT細胞の機能を妨げたりがん細胞の周囲から排除することで,がんの免疫逃避に寄与している.また,抑制性の免疫細胞は新たな抑制性の免疫細胞を腫瘍局所へと動員することでさらに強力な免疫抑制環境を構築し,免疫チェックポイント阻害薬への抵抗性に貢献する.

制御性T細胞(Treg),骨髄由来抑制細胞(MDSC),腫瘍関連マクロファージ(TAM),抑制性樹状細胞(mregDC)

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