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ミクログリアによる神経回路変性とてんかん発症

Microglia reorganize neuronal circuits in epileptogenesis
安藤めぐみ,小山隆太
Megumi Andoh1)/Ryuta Koyama1)2):Laboratory of Chemical Pharmacology, Graduate School of Pharmaceutical Sciences, The University of Tokyo1)/The Institute for AI and Beyond, The University of Tokyo2)(東京大学大学院薬学系研究科薬品作用学教室1)/東京大学 Beyond AI 研究推進機構2)
10.18958/7149-00001-0000283-00

てんかん脳では,異所性神経回路の形成や,興奮性と抑制性シナプスのバランス(シナプスE/Iバランス)の構造的・機能的破綻による神経回路変性が生じた結果,神経細胞が過剰な同期性活動を行う.そのため,これまでの抗てんかん薬は,てんかん発症後の神経細胞を直接の標的とし,その過活動を抑制するものがほとんどであったが,てんかん患者の約30%でてんかん発作を抑制できていない.この現状は,しかしながら,神経細胞以外に抗てんかん薬の標的が残っているという希望も与える.特に,われわれは,神経細胞間の膠に過ぎないと考えられていたグリア細胞を難治性てんかんの有望な治療標的として提唱する.グリア細胞のなかでもミクログリアは,てんかん脳で性質が変化していることが示されてきた.しかし,てんかん発症や悪化における神経回路変性にミクログリアが関与する可能性やメカニズムについて未解明な点が多く,本稿では,この点に関して,ミクログリアが本来有する機能に着目しながら論じる.

ミクログリア,てんかん,シナプス,E/Iバランス,神経回路変性,グリア創薬

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