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倍数性研究のいま

Frontiers of ploidy research
上原亮太
Ryota Uehara:北海道大学大学院先端生命科学研究院
10.18958/7801-00036-0006141-00

本特集では染色体異常のなかでも全ゲノムコピー数が二倍体の整数倍に増加する「ゲノム倍数性(ゲノム倍加・多倍体化,polyploidy)」にフォーカスする.一見するとサイズ以外には正常細胞と見分ける手がかりのないゲノム倍加細胞の中では,内容物の数量変化に起因するさまざまな細胞制御異常が起こっていることがわかりつつある.本概論と3つの各論を通じて,ユニークな研究アプローチによって明らかになってきた,ゲノム倍数性変化の発生原理と細胞への基本作用,がん形成への寄与に関する知見や,がん抑制のヒントとなるアイディアを紹介する.

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