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多倍体細胞の生体内ダイナミクスと肝がん病態への関与

In vivo dynamics of polyploid cells and their involvement in liver cancer pathogenesis
松本知訓
Tomonori Matsumoto:大阪大学大学院生命機能研究科細胞ネットワーク講座倍数性病態学研究室
10.18958/7801-00036-0006144-00

さまざまな組織障害やがんで多倍体化が亢進することが知られているが,これらの病態における多倍体化の意義や,多倍体細胞の挙動はいまだ解明されていないことが多い.倍数性に関する研究を進めるうえでの障壁の1つに,適切な実験モデルや解析系が限られていることがあげられるが,多倍体細胞の生体内での挙動を可視化するマウスモデルの開発により,多倍体肝細胞の肝再生・発がんへの関与が明らかとなってきた.本稿では,このマウスモデルのほか,培養細胞や臨床検体を用いた解析を通じて得られた知見に基づき,がんの発生・進化における倍数性変化の役割について概説する.

多倍体化,ゲノム倍加,倍数性減少,細胞系譜解析,polyploid giant cancer cell

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