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ゲノム倍加と細胞分裂制御の変調

Alterations in mitotic regulations upon whole genome duplication
吉澤晃弥,上原亮太
Koya Yoshizawa/Ryota Uehara:北海道大学大学院先端生命科学研究院
10.18958/7801-00036-0006142-00

ゲノム倍加を起こした状態で増殖する性質は多くのがん細胞に共通のものであるため,ゲノム倍加細胞の分裂を選択的に阻害できればがん抑制に資する有効なアプローチになると期待される.正常細胞とゲノム倍加細胞の分裂のしくみの比較から,後者では余剰な中心体の会合反応や倍増した染色体の整列分配にかかわる一連の因子群の要求性が顕著に高まっていることが明らかになってきた.本稿ではこれらの因子が特に必要とされる背景を紹介し,ゲノム倍加細胞の選択的抑制の実現に向けて克服すべき不均一性の課題などについても議論する.

倍数性,多倍体,中心体,染色体,不均一性

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