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りん光プローブによる酸素環境の感知

Sensing the oxygen environment using phosphorescent probes
吉原利忠,飛田成史
Toshitada Yoshihara/Seiji Tobita:Department of Chemistry and Chemical Biology, Graduate School of Science and Technology, Gunma University(群馬大学大学院理工学府分子科学部門)
10.18958/6587-00001-0000928-00

生体内の酸素環境は組織によって大きく異なり,また,同じ組織においても時空間的に不均一である.本稿では,酸素によって著しく消光される“りん光”を利用して,生体組織内の酸素分圧を,低侵襲的にイメージングする技術について紹介する.本技術は,適切なりん光性酸素プローブとりん光寿命イメージング顕微鏡を用いることにより,組織細胞や血管を区別して,それぞれの酸素分圧を単一細胞レベルの分解能で定量化できる.定量化の精度については,まだ,改良の余地があるが,酸素が関与する組織内代謝や,がんなどの低酸素病態における酸素環境の可視化が可能となりつつある.

りん光,りん光寿命イメージング,イリジウム錯体,酸素プローブ

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