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筋強直性ジストロフィーにおけるRNA毒性を標的とした治療戦略

Therapeutic strategies targeting toxic RNA in myotonic dystrophy
中森雅之
Masayuki Nakamori:Department of Neurology, Osaka University Graduate School of Medicine(大阪大学大学院医学系研究科神経内科学)
10.18958/6633-00001-0000955-00

筋強直性(きんきょうちょくせい)ジストロフィー(DM)は,筋だけでなく,脳,眼,内分泌器官などさまざまな臓器をおかす全身性疾患である.非翻訳領域のCTGあるいはCCTGリピートの異常伸長が原因のリピート病であり,これらが転写された異常RNAの毒性により選択的スプライシング制御因子が障害される.この結果,広汎なスプライシング異常が引き起こされ,多様な全身症状につながるとされている.これまでDMの根本的治療法はなかったが,その病態にRNA毒性が深くかかわることが判明して以降,異常RNAを標的とした治療開発が進められている.

スプライシング,MBNL,アンチセンス核酸,低分子化合物,核酸標的低分子

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