パターソン症例
ぱたーそんしょうれい
アメリカ人のトム・パターソン氏は,2015年11月エジプト滞在中に急性膵炎を発症し,多剤耐性菌(Acinetobacter baumannii)感染が悪化した.従来の抗菌薬がすべて効かず,’16年3月,特別承認(eIND)を経てファージ療法を実施.ベルギーおよび米国の研究機関から選りすぐったファージをカクテルにし,腹腔・静脈投与を実施した.その結果,意識が回復し,6月には菌陰性化,8月に退院に至った.治療期間は約59日間で,薬剤耐性菌に対する強力な代替治療として注目された米国で初めてのファージ療法成功症例である.(実験医学2025年10月号より)
概論―常在ウイルス叢解析からファージ療法の実用化に向けて実験医学2025年10月号解説は発行当時の掲載内容に基づくものです
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