がん幹細胞は,がん細胞のなかでも①高い造腫瘍能を有する,②自己複製能を有する,③多分化能を有する亜集団,と定義される.がん幹細胞は化学療法や放射線療法といった既存のがん治療法に抵抗性を示すことが知られており,治療後の再発や遠隔転移といった患者予後を直接左右するイベントに深くかかわっていると考えられている.