ホスファチジルイノシトール3-キナーゼ(PI3K)は,細胞膜の構成成分であるイノシトールリン脂質をリン酸化する酵素で,産生したPI3,4,5-三リン酸(PIP3)がAktをリン酸化する.がん遺伝子であるAktは多くのがん組織で活性しており,Aktの生存促進作用ががん化に重要な貢献を果たす.
成長・増殖・糖代謝・血管新生・抗アポトーシス作用などさまざまな作用が報告されているが,この経路の阻害が逆に抗老化に働くことが明らかとなり注目されている.