薬物受容体の化学情報伝達機構の正確な理解のためには,薬物と薬物受容体,さらに薬物受容体と共役して細胞内シグナル伝達に関与する分子間の分子認識,分子集合論に立脚した理解が不可欠である.本稿では化学レベルでの受容体(レセプター)の動的超分子機構の顕微的かつ網羅的解析,さらにはそれをもとにした新規な創薬コンセプトを包括してケミカルレセプトームという造語を適用した.