同一細胞内でみられる,空間的な位置に対応した機能分化のこと.厳格な細胞極性により,上皮細胞における頭頂側と基底膜側あるいはニューロンの軸索突起のような機能分化が認められる.
一般的に腸管や尿細管のような上皮細胞では,細胞の上部(apical側)と側底部(basolateral側)をもち,それぞれ特徴的な膜タンパク質が局在する.肝細胞においては,胆管側をapical,血管側をbasolateralと考える.タンパク質の極性輸送には,多くのRab familyが関与する.細胞極性の崩壊は,腫瘍マーカーの産生と密接な関係があると言われている.