CIDとETDによるタンデム質量分析

ペプチドを対象とした質量分析では,そのアミノ酸配列をより高い精度で同定するため,タンデム質量分析(MS/MS)が行われる.すなわち,一段目のMSで質量を得たプリカーサーイオンをアミノ酸レベルで部分的に分解し,生じたプロダクトイオンの質量もモニターする.この分解過程には,従来,イオンと不活性ガスとの衝突を利用したCIDという方法が用いられてきた.最近になって,よりマイルドな条件で化学的に分解させるETDという方法も開発されている.これらのプロダクトイオンの分解パターンをモニターすることで,アミノ酸の配列情報まで得られることになる.一方,アミノ酸の理論質量とプロダクトイオンの差分から,どのアミノ酸上に修飾基が導入されているかも特定できる.

実験医学増刊 Vol.30 No.5

参考書籍

  • [SHARE]
  • Send to Facebook
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

バイオキーワード集:索引


A B C D E
F G H I J
K L M N O
P Q R S T
U V W X Y
Z        
数字 その他