WT1(Wilms Tumor 1).腎芽腫(ウィルムス腫瘍)は腎に発生する腫瘍で,多くは小児にみられる.腎芽腫の原因遺伝子の一つとして,腫瘍抑制遺伝子WT1が同定されている.WT1は転写調節因子として細胞増殖を制御し,腎および泌尿生殖器の分化に関与する.腎芽腫のうち腎疾患,生殖器奇形を合併したものをDenys-Drash(デニス・ドラッシュ)症候群と呼ぶが,この症候群ではWT1遺伝子に変異があることがわかっている.