ギャップ結合は隣接する細胞質を物質的に直接連結しうる細胞間結合様式である.ギャップ結合においては,1〜2 nmの孔をもった六角柱状のタンパク質複合体(ヘミチャネル)が細胞膜上に存在し,隣接する細胞のヘミチャネルと2〜4 nmの隙間(ギャップ)を挟んで相対し,両細胞間の物質交換を可能にする.一方,ヘミチャネル構造には細胞間結合にかかわらず,自己分泌や傍分泌にかかわるものも報告されており,単にヘミチャネルとよばれる.これらのチャネルは,分子量1 kDa程度以下の分子のみ,すなわち,イオン,cAMP,ATP,イノシトールリン酸などが通過できる.