陳述記憶というのは言葉などで説明ができるタイプ記憶であり,その成立には海馬が重要な役割をしている.陳述記憶にはエピソード記憶と意味記憶がある.場所にかかわる記憶は「空間記憶」と呼ばれることもある.非陳述記憶には,手続き記憶や情動記憶がある.「手続き記憶」というのは,技巧や運動技能などに関する記憶であり,大脳皮質・基底核・小脳などがかかわる.情動記憶はパブロフ型の条件付けに代表されるような,特定のキューや文脈と情動を結びつけるタイプの記憶である.大脳辺縁系が関与する.その他,これらと別のタイプの記憶としてリアルタイムの思考にかかわる作業記憶がある.