マダニが媒介する感染症には細菌性感染症,ウイルス性感染症がある.日本におけるマダニ媒介性細菌性感染症には日本紅斑熱(日本紅斑熱リケッチア)とライム病(ボレリア菌)が代表的であり,ダニ目マダニ科のダニがベクターとなっている.ツツガムシ病はダニ目ツツガムシ科のツツガムシがベクターとなり,ツツガムシリケッチアが原因菌の感染症である.一方,ダニ媒介性ウイルス感染症としては,日本ではフラビウイルス科フラビウイルス属のダニ媒介性脳炎ウイルス感染症が1例北海道で報告されているのみであったが,最近,SFTSが日本で流行しているダニ媒介性ウイルス感染症であることが明らかにされた.