アプタマー

一本鎖RNA,DNAなどが作る立体構造によって機能が発生するもののうち,抗体と同様な抗原物質との結合特異性をもつ,標的タンパク質と特異的に結合する能力をもった核酸分子.リボザイム(ribozyme)と同様なもの,増殖因子,酵素,受容体,膜タンパク質,ウイルスタンパク質などさまざまなタンパク質に結合するアプタマーのみならず,金属イオン,分子量の小さい有機化合物,ペプチド,複雑な構造をもつ多量体,ウイルスなどと結合するものも発見されている.このように,アプタマーは結合する対象に制約がないだけではなく,抗体では実現できなかった高い親和性と特異性をもって対象に結合させることが可能である.例えば,ピコモル以下の親和性をもつ場合もあり,96%相同な配列のタンパク質や,同じ配列で立体構造の異なる分子も区別できることが明らかになっている.さらに,大量の合成が容易,作用機序が単純といった利点もあり,構造プロテオミクス,ターゲット解析,ターゲットバリデーションへの応用が検討されている.また,タンパク質の機能を阻害する働きを利用した創薬などの分野で強力なツールとして期待されている.

バイオテクノロジージャーナル 2006年3-4月号 Vol.6 No.2
実験医学増刊 Vol.28 No.17
実験医学増刊 Vol.31 No.7
実験医学増刊 Vol.33 No.20

参考書籍

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