軸索の内部には,細胞体から神経終末に向かう物質の動き(順行性軸索輸送)と,逆に神経終末から細胞体への動き(逆行性軸索輸送)が存在し,各運搬に関与するタンパク質が存在する.逆行性トレーサーは,神経終末から取り込まれて逆行性輸送により神経細胞体へと運ばれ,その神経細胞体を標識(可視化)できる.逆行性トレーサーを目的の臓器や領域に投与することで,そこを投射している神経を同定することができる.