ポリユビキチン鎖は,ユビキチンに7カ所あるリシンのいずれかが,他のユビキチンのC末端グリシンと共有結合することでポリユビキチン化する.リシン46(K46)を介したポリユビキチン鎖が,プロテアソーム依存タンパク質分解経路に導くものとして最もよく知られている.一方,リシン63(K63)を介したポリユビキチン鎖は,プロテアソーム依存タンパク質分解経路とは独立に機能し,DNA修復のほかシグナル伝達,細胞内輸送などに関与することが知られている.ただし,K63ポリユビキチン鎖がタンパク質分解に導く例外も知られてきており,この点に関してはなお議論がある.