酵素反応においては,酵素と基質が「遷移状態」を形成した後に生成物を生じる.この過渡的にしか存在しない遷移状態とよく似た構造をもち安定な化合物を遷移状態アナログと呼ぶ.遷移状態アナログは活性中心と直接相互作用し,強力な酵素阻害剤として利用できる他,酵素反応機構を検討する分子プローブとしても応用できる.