臨床留学レポート from U.S.A

★連載を始めるにあたり【岸本暢将】

いよいよ2004年から2年間の初期臨床研修が必修化され,日本の臨床研修制度改革が本格的に開始されます.それと同時に,その道しるべとなるべく米国の医学教育,研修制度などに関してさまざまな情報が日本に入ってきています.本誌既連載「アメリカ臨床留学大作戦」ではレジデンシーポジション獲得までの道のり・戦略をお伝えしましたが,これに引き続き,今回は実際に米国の臨床留学で何を学び,どのような研修が行われているのか,在米現役日本人研修医,指導医の先生方の協力を得て,日本ではあまり知られていない実情,また日本の研修施設ではあまり行われていない教育法・評価法などをお伝えします.

米国で内科研修を開始後,早くも3年目,米国臨床研修のメリットは,真の意味で臨床経験と知識を習得できるばかりでなく,米国で多国籍文化に触れ,日本文化を再認識し,人生の新たな楽しみ,喜び,そしてかけがえのない交友関係を与えてくれていることを実感しています.日本の医学界にも“グローバルスタンダード”が求められている昨今,米国臨床経験は人生最高の宝になることを確信しています.保険制度,医療費の高騰,医療過誤保険の高騰など,米国医療の問題点は多いですが,こと卒前卒後教育に関しては米国に学ぶべきところは非常に多いです.この連載を通して,日本の先生方に少しでも,米国での研修の雰囲気を感じていただき,今後の研修をさらに充実したものにするための参考となれば幸いです.

  • Vol.6 No.7(2004年10月号)・・・939ページ
    第7回 日本人アテンディングがみるアメリカの医学生・研修医
    ・日本と米国の医学生,研修医,指導医の違い[久松良和]
    ・米国指導医が見る医学生・研修医・日本へのメッセージ[町 淳二]
  • Vol.6 No.6(2004年9月号)・・・831ページ
    第6回 日本ではトレーニングプログラムが少ない専門科
    ・老年医学フェローシップの紹介[都築大祐]
    ・感染症フェローシップ[岩田健太郎]
    ・アレルギー・免疫学フェローシップについて[森本佳和] 【正誤表】
  • Vol.6 No.5(2004年8月号)・・・701ページ
    第5回 レジデンシー終了後専門課程フェローシップについて
    ・Fellowshipについて[本郷偉元]
    ・大学病院からの研究留学について[森田 將]
  • Vol.6 No.4(2004年7月号)・・・541ページ
    第4回 米国レジデンシープログラムについて
      ~レジデント・インターンの役割 Part3~

    ・チーフレジデントについて[清河美姫]
  • Vol.6 No.3(2004年6月号)・・・398ページ
    第3回 米国レジデンシープログラムについて
      ~レジデント・インターンの役割 Part2~

    ・米国外科レジデントの実際[山内英子]
    ・米国小児科臨床研修の実際[井上信明]
  • Vol.6 No.2(2004年5月号)・・・242ページ
    第2回 米国レジデンシープログラムについて
      ~レジデント・インターンの役割 Part1~

    ・内科インターン・レジデントとしての業務・実際・日本との相違など[鈴木健樹]
    ・教育カンファレンス・レクチャーについて[藤吉 朗]
  • Vol.6 No.1(2004年4月号)・・・117ページ
    第1回 日本にはない米国レジデンシープログラムの特徴
    ・リトリート(休養日)でうつ病予防[伊藤大樹]
    ・指導医も採点される米国レジデンシーの評価方法[藤吉 朗]
    ・訴訟社会アメリカ~研修医が学ぶ医療過誤の防ぎ方~[岸本暢将]