レジデントノート:妊婦さんを診よう 救急外来での妊産婦対応〜薬剤投与やエコーを安全に行うための知識・コツが身につく!発熱、打撲、出血などにためらわず対応できる!
レジデントノート 2019年11月号 Vol.21 No.12

妊婦さんを診よう 救急外来での妊産婦対応

薬剤投与やエコーを安全に行うための知識・コツが身につく!発熱、打撲、出血などにためらわず対応できる!

  • 加藤一朗/編
  • 2019年10月10日発行
  • B5判
  • 156ページ
  • ISBN 978-4-7581-1634-3
  • 定価:2,000円+税
  • 在庫:予約受付中
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特集にあたって

特集にあたって

加藤一朗
(隠岐病院 診療部長)

妊婦さんを診察するのに躊躇はないですか?

初期研修中に産婦人科をすでにローテートされた方もそうではない方も,皆さん医学生のときに産婦人科を実習されたはず.しかし,妊婦さんをいざ診察するとなると躊躇してしまう人が多いのはなぜでしょうか? おそらく妊婦さんだけではなく,お腹の中の赤ちゃんのことも診察対象として考慮しなくてはならないからでしょう.「この検査をして,お腹の赤ちゃんに影響はないのか?」「処方したこの薬が赤ちゃんの奇形の原因にならないのか?」,さまざまな不安が頭をめぐると思います.

本当に妊婦さんを診察せずにやり過ごせますか?

「当院の救急外来では,妊婦さんははじめから産婦人科医が診察するから自分には関係ないよ」という研修医の先生もいるかもしれませんね.そのような施設は少なからずあるかと思いますが,本当に関係ないでしょうか? 風邪などのcommon diseasesや外傷などの非産科疾患も患者が妊婦さんであればすべて産婦人科医が診察しますか? または産婦人科医が救急外来に到着する前に妊婦さんが搬送されることもあるかもしれません.例えば,2015年の国内消防本部に対する調査では,病院前分娩が891件あった(そのうち659件は現場到着時にすでに産まれていた)と報告されています1).つまり,病院前で出産した産婦や新生児が救急外来に搬送されたり,分娩切迫症例では救急外来で分娩となったりすることも十分ありえます.すべての研修医にとって,妊婦さんの診察は他人事ではないことがわかっていただけるかと思います.

実際に妊婦さんを診察するポイントは?

救急外来で患者さんを診ることになったらまずは研修医としてできることを迅速に行い(病歴聴取・診察・超音波検査など),見逃してはならない産科疾患を鑑別にあげ,適切なタイミングで産婦人科医にコンサルトすることが重要です.見逃してはならない産科疾患のなかには,母体とお腹の赤ちゃんの2人の命にかかわるため,一刻も早く産婦人科医による手術などの処置を必要とするものもあります.そのような場合には躊躇せず産婦人科医にコンサルトしてください.

新しい命の誕生のために

「『おめでとう』と言える科だから産婦人科を選んだ」という産婦人科医の声を聞いたことのある研修医の先生も多いと思います.私もどんなに仕事が忙しくても,元気な産声を聞くたびに「明日も頑張ろう」と思う日々です.産声を実際に聞くことはできないかもしれませんが,研修医の皆さんにもそんな気持ちになってほしくて今回特集を企画し,日頃から熱く(暑く?)研修医を指導されている先生方に執筆をお願いしました.執筆者の方々には厚く御礼を申し上げるとともに,研修医の皆さんにはぜひ読破した後,自信をもって特殊な分野と思い込まずに妊婦さんの診療にあたってもらえれば幸いです.


文献

  • 筑波大学附属病院:救急現場における周産期救急~わが国の実態調査と病院前周産期救急教育のあり方に関する検討~. 救急救命, 38:26-28, 2017

著者プロフィール

加藤一朗 Iichiro Kato
隠岐病院 診療部長
日本海に浮かぶ隠岐の島で,産婦人科が得意な総合診療医として働いています.離島医療は,時として厳しい現実に悩むこともあります.しかし,そういうときこそチーム一丸となって乗り切ることができるのが,離島医療の醍醐味です.多くの若い先生方が,楽しく離島医療研修できるようにすることが,目下私の使命だと思っています.

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