レジデントノート:救急・ICUで使う循環器の薬に強くなる!〜緊急の循環管理を迷わず行うための、処方の考え方・具体的な使い方を教えます
レジデントノート 2021年3月号 Vol.22 No.18

救急・ICUで使う循環器の薬に強くなる!

緊急の循環管理を迷わず行うための、処方の考え方・具体的な使い方を教えます

  • 西山 慶/編
  • 2021年02月10日発行
  • B5判
  • 162ページ
  • ISBN 978-4-7581-1658-9
  • 定価:2,200円(本体2,000円+税)
  • 在庫:あり
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特集にあたって

特集にあたって

西山 慶
(新潟大学医学部 救命救急医学・集中治療部・高度救命救急センター)

循環器はみんな苦手?

循環器系の薬剤に苦手意識をもつ医師は若手・ベテランにかかわらず多いようです.これは,循環器系の薬剤は患者さんにすぐに投与しなければならないのにもかかわらず,「この病態にはこの薬剤をこれだけ投与」といった決まり切ったレシピがないのが普通で,患者さんの循環動態などにあわせて微調整していく必要があることによるのでは,と思います.さらに循環動態の把握にはゴールドスタンダードとなる評価法が十分に開発されておらず,「モニターのデータがこうであるからこの薬剤をこれくらい使う」といったことがはっきりといえないことも多くの医師が困惑する原因となっているのではないでしょうか.

循環器専門医は実は大雑把?? 〜反応性を見極める

研修医の先生は循環器内科の研修を行っているときに,循環器専門医があまりガンマ計算などをせずに比較的ラフに薬剤投与を開始するのにびっくりしたことがあるかもしれません(これは筆者だけなのかもしれませんが…).実は多くの循環器専門医が最もこだわっているのは「何をどれくらい投与開始するのか」ではなくて「その後循環動態がどのような反応をしたか」であり,投与した後にきわめて注意深く患者さんの循環動態を観察し,微調整を行うことに注力しています.近年は集中治療のなかにも「反応性の見極め」こそ循環管理のコアであるという考え方が広まってきており,例えば敗血症性ショックの初期蘇生における輸液反応性・fluid challenge〔輸液の急速投与を行い(細胞外液250〜500 mLなど),循環指標の改善が図られるかどうかを評価することにより循環血液量の不足の有無を確認する方法〕などはそのよい一例だと思います1)

本特集のねらい

1) 循環器系薬剤の苦手の克服にはコンセプトの理解を

循環器系の薬剤の使用においては生理学的病態と薬理学的効果に対するコンセプトをしっかりと理解しておく必要があります.逆に数学では公式を理解さえすればどんな問題でも解けてしまうように,このコンセプトさえ自分のものにすれば循環器系の薬剤を自由自在に使いこなすことが可能になると考えています.

2) 非専門医が遭遇するシチュエーションに基づいて

近年,たこつぼ型心筋症や敗血症性心筋症に代表されるように,虚血性心疾患のような心疾患が原因でない病態においても適切に循環管理を行い治療することで予後が改善するということが報告されています2,3).また,超高齢社会となった昨今では潜在的に心機能低下が進行し,感染症や出血などにより循環動態が悪化した場合にはじめて心不全が顕在化することはよく経験します4).このような背景を踏まえ,今回はあえて循環器疾患のみに焦点を当てることは避け,「敗血症性ショック」,「VFストーム」,「頻脈性心房細動」,「抗血小板療法」,「抗凝固薬」,「利尿薬」,と多くの若手の非専門医が遭遇し頭を悩ましている具体的なシチュエーションをあげ,それぞれのシチュエーションにおける循環器系の薬剤について概説することで,その生理学的病態と薬理学的効果についてのコンセプトを示していくことができればと考えています.また併せて,非循環器専門医が習得するべき心エコー法についても示していくことができたらと最終項目でとりあげています.

本特集により研修医の先生方の循環器領域への苦手意識がなくなれば幸いです.

文献

  • Rhodes A, et al:Surviving Sepsis Campaign:International Guidelines for Management of Sepsis and Septic Shock:2016. Crit Care Med, 45:486-552, 2017 (PMID:28098591)
  • Kakihana Y, et al:Sepsis-induced myocardial dysfunction:pathophysiology and management. J Intensive Care, 4:22, 2016 (PMID:27011791)
  • Boissier F, et al:Left ventricular systolic dysfunction during septic shock:the role of loading conditions. Intensive Care Med, 43:633-642, 2017 (PMID:28204860)
  • 日本循環器学会,他:急性・慢性心不全診療ガイドライン(2017年改訂版).2018

著者プロフィール

西山 慶 Kei Nishiyama
新潟大学医学部 救命救急医学・集中治療部・高度救命救急センター 教授
初期診療から集中治療までシームレスな急性期医療を実践しています.

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