生来ある下肢の皮疹 症例 生後8日の女児.母親に同症あり.出生時より,下肢に線状に配列する紅斑・水疱があり,やがてびらん・痂皮を示すようになった. ※クリック/タップで拡大します ⓒ 眼病変を合併しやすい ⓔ 皮疹はやがて自然消褪する 皮疹の診かた 右下肢にBlaschko線に沿って線状に配列する水疱・びらん・痂皮が見られる 臨床診断へのアプローチ 生後間もない女児に発症しており,家族歴と特徴的な皮疹を併せて色素失調症を想起する 本症例の診断:色素失調症 疾患の概要 出生時よりBlaschko線に沿って,紅斑・水疱→角化性丘疹→色素沈着→消褪という特徴的な経過の皮疹を生じる 皮膚症状は,第Ⅰ~Ⅳ期に分類される(表1) X染色体優性遺伝の形式をとり,男児例のほとんどは胎生致死するため,報告例の95%以上は女児である 本疾患に罹患している母親が妊娠した場合,女子の半数が発症する Xq28に存在するIKBKG(NEMOとも呼ばれる)遺伝子の異常によって生じ,NF-κBのシグナル伝達経路が障害されて発症する1) しばしば,歯,眼(選択肢ⓒ),中枢神経などの異常を合併する(表2) 治療のポイント 皮膚病変に関しては多くの例で自然消褪する(選択肢ⓔ)ため,必要に応じて対症療法を行う 眼病変,中枢神経病変,骨格異常の早期発見に努める 本疾患におけるIKBKG遺伝子変異の60~80%は,exon 4〜10までの大規模欠失である1) 文 献 Smahi A, et al:Nature, 405:466-472, 2000 (2021/11/17公開) 戻る この"ドリル"の掲載書をご紹介します 皮膚診療ドリル あらゆる臨床医のための「皮疹の診かた」問題集 梅林芳弘/編 定価:4,950円(本体4,500円+税) 在庫:あり 月刊レジデントノート 最新号 次号案内 バックナンバー 連載一覧 掲載広告一覧 定期購読案内 定期購読WEB版サービス 定期購読申込状況 レジデントノート増刊 最新号 次号案内 バックナンバー 定期購読案内 residentnote @Yodosha_RN その他の羊土社のページ ウェブGノート 実験医学online 教科書・サブテキスト 広告出稿をお考えの方へ 広告出稿の案内