画像診断Q&A

レジデントノート 2024年2月号掲載
継続する咳嗽・黄色粘稠痰で受診した喘息治療中の60歳代女性

症例

症例
:60歳代女性.
主訴
:咳嗽,発熱,呼吸困難.
既往歴
:急性虫垂炎で虫垂切除後
常用薬
:フルチカゾン100 μg 1回1吸入1日2回,ツロブテロール貼付剤2 mg 24時間ごと,テオフィリン徐放剤1回100 mg 1日2回,モンテルカスト錠1回10 mg 1日2回.
喫煙歴
:なし.
飲酒歴
:機会飲酒.
アレルギー歴
:なし.
家族歴
:特記事項なし.
現病歴
:2年前に2週間の咳嗽・呼吸困難で当院を受診し胸部CTで右中葉無気肺を認めた.肺癌疑いで気管支鏡検査を行い,気道内腔に黄色粘稠分泌物を認めたが生検では悪性所見はなかった.器具洗浄液培養でアスペルギルスを検出したが,症状と無気肺は自然軽快したため終診とした.その後他院で気管支喘息として薬物治療が開始された.今回2週間前から咳嗽・黄色粘稠痰が増悪し当院を受診した.
身体所見
:身長163 cm,体重52 kg.意識清明,体温35.4℃,血圧151/95 mmHg,脈拍77回/分・整,呼吸回数12回/分,SpO2 98%(室内気).心雑音なし.右下肺野でcoarse cracklesを聴取する.腹部平坦,圧痛なし.顔面・四肢の皮疹なし.両側下腿浮腫なし.
血液検査
:WBC 6,800/μL(好中球48.5%,リンパ球27.0%,好酸球22.5%),Hb 12.8 g/dL,Plt 21.6万/μL,Alb 4.2 g/dL,AST 35 IU/L,ALT 12 IU/L,LDH 200 IU/L,UN 15.2 mg/dL,Cr 0.67 mg/dL,Na 142 mEq/L,K 3.5 mEq/L,CRP 0.53 mg/dL.

Question

  1. Q1:胸部単純X線写真(図1)の所見は?
  2. Q2:何を鑑別にあげ,どのような追加の病歴聴取・検査を行うか?

図1  来院時胸部単純X 線写真

プロフィール

田中三千穂(Michiho Tanaka)
聖路加国際病院 内科専攻医
中村友昭(Tomoaki Nakamura)
聖路加国際病院 呼吸器センター 呼吸器内科
西村直樹(Naoki Nishimura)
聖路加国際病院 呼吸器センター 呼吸器内科
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