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2006年7-8月号
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最新号
(6月16日発行)
2006年7-8月号
(Vol.6 No.4)
定価 2,625円(税込)
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特集
タンパク質機能解析に役立つデータベースとウェブツール
企画/太田元規(東京工業大学学術国際情報センター)
・<概論> “タンパク質の配列・構造・機能相関のバイオインフォマティクス”への誘い
太田元規
ゲノムに織り込まれた遺伝情報は,転写翻訳を経てタンパク質となり実体化する.タンパク質は生体内で固有の立体構造をとることにより働く分子となる.つまり機能発現と立体構造は密に結びついており,構造の凹凸やその上に現れる運動,揺らぎが結合,触媒作用と強く連動している.タンパク質の「配列」が「構造」を規定し,「構造」が今度は「機能」を規定する,といった一連の流れのことをタンパク質の配列・構造・機能相関という.生命現象とは煎じ詰めればタンパク質同士,もしくはタンパク質と核酸およびリガンドなどの低分子が繰り広げる相互作用の総体となるわけだが,これは究極には,タンパク質の配列・構造・機能相関の文脈として理解されるべきであろう.その場合,遺伝情報が最終的には表現型のような高次機能として実現する様をロジックとして記述することが重要となる.もう少し問題を分割し,かみ砕いて,私たちの手に届きそうなものに焼き直してみると,タンパク質の配列から構造の情報をいかに引き出すか(配列からの構造予測),タンパク質の形から(分子)機能の情報をいかに引き出すか(構造からの機能予測),という2点に当面の課題は集約されるだろう.
この特集では構造予測,機能予測,およびその周辺事項における解析を中心として,実用的なデータベースやウェブツールの解説を試みた.
・FORTEによるタンパク質の立体構造予測
富井健太郎,野口 保
研究対象であるタンパク質の立体構造や,活性部位を明らかにすることは,仮説の検討や実験の指針設定に有益である.ここでは,既知立体構造を鋳型としたタンパク質立体構造予測法FORTEを中心に立体構造予測法の解説を行う.
・DynDomによるタンパク質構造変化の解析
小池亮太郎
タンパク質はある特定の構造に折り畳まれ機能を発現するとされる.しかし,実際にはその構造をあるときには微妙にまたあるときには大きく変化させることで機能を発現している.ここではタンパク質の構造変化の様子を解析する方法として定評のあるDynDomを紹介する.
・酵素触媒機構データベースEzCatDB
長野希美
EzCatDBは酵素反応をその立体構造,触媒機構,活性部位の構造パターンの観点から新たに捉え直し,分類した酵素触媒機構データベースである.本稿では,EzCatDBの活用法と関連する酵素・立体構造データベースについて紹介する.
・タンパク質複合体構造の判定 〜PQSを例に
西 羽美
現在,タンパク質の構造データベースであるPDB(Protein Data Bank)には36,000ほどの構造が登録されている.しかし,PDBに収められた構造が,そのまま生理的条件下でのタンパク質複合体の構造を忠実に再現しているとは限らない.ここでは,PDBにあるX線結晶構造からより正確な複合体構造を判定するサーバとしてPQS(Protein Quaternary Structure file server)を取り上げる.
・eF-siteを利用した機能部位の予測
木下賢吾
急速な勢いで蓄積しつつある立体構造情報を利用して機能未知タンパク質の機能推定を行うために,立体構造から機能を推定する方法が開発されてきている.その1つの方法として,分子表面の構造と物性(静電ポテンシャルと疎水性度)の類似性に着目した方法がある.ここでは,その方法の基礎データベースであるeF-siteデータベースとその関連データベース,およびwebサービスの簡単な紹介を行う.
・エボリューショナリートレース法
白井 剛
タンパク質のアミノ酸配列から機能上重要な部位を探し出す問題に対して,近年タンパク質の進化系統の情報を利用するエボリューショナリートレース法(ET法)が開発された.ここではET法の概略と,その計算を行うウェブツール(Evolutionary Trace Server:ETS)について解説する.
・Wet実験屋からみたバイオインフォマティクスツールの利用
廣明秀一
Wet実験の研究者は多かれ少なかれ激しい研究競争の渦中にあるが,進展著しいバイオインフォマティクスの最新ツール・技術をうまく取り込むことでオリジナリティの高い成果をあげ,ライバルに先行することができるだろう.研究計画時と結果の解釈時に,恐れずに最先端の手法を試すべきである.全く新規の実験系を開発したり,新しい実験キットを試すのに必要な時間とコストを考えれば,インフォマティクスの利用がもたらす効果の方が大きいに違いない.情報生物学の専門家と組んで,お互いの研究が進歩するような関係が築けたら素晴らしい.
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