タンパク質は,他のタンパク質や低分子のリガンドまたはDNA,RNA,脂質などの他の生体分子と相互作用することによって機能する.そのタンパク質が相互作用している分子の正体を明らかにすることがタンパク質研究の第一歩である.ヒトゲノムで見つかった多くのGPCR(G protein coupled receptor)がオーファン受容体であることから,その第一歩にも達していないタンパク質が多数あることが理解できると思う.
相互作用する分子がわかったとしても,相互作用に伴うイベントを正しく理解するためには相互作用を定量的に測定することが必要である.例えば,酵素の機能を理解するためには,基質の同定だけではなく,その反応のカイネティックパラメータを測定することが必要なのと同じである.Biacoreが発明される以前は,タンパク質の相互作用を定量的に解析することは非常に困難だったと記憶している.現在では,さまざまなタンパク質相互作用解析技術が開発され実用化されているが,Biacoreは今でもフロントランナーとして走り続けている.