ハプロタイプとは,片親由来の染色体における複数の対立遺伝子の並びのことである.最近では1本の染色体上のSNPsの並びのことを示す場合が多くなっているが,さまざまな病気の原因遺伝子を特定するためにきわめて重要な情報となっている.しかし,細胞には2組の染色体があるので,単純にSNPsを解析するだけではハプロタイプを決めることができない.特に家系の情報がない場合には,統計処理によりタイピングを行うので,間違った結果が得られることも少なくない.したがってハプロタイプを最も確実に決定する方法は,1本の染色体を対象としたSNPsタイピングである. 本誌2006年5-6月号で紹介したG. M. Churchらは,得意のPolony法を用いて1分子の染色体を鋳型としたハプロタイピング技術の開発に成功した.