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ヒト胎盤発生と疾患モデリング

Human placental development and disease modeling
山元康寛,大草貴史,岡江寛明
Yasuhiro Yamamoto/Takafumi Okusa/Hiroaki Okae:熊本大学発生医学研究所胎盤発生分野
10.18958/7683-00001-0001851-00

胎盤は哺乳類の発生に不可欠であり,その異常はさまざまな合併症を引き起こす.しかし,これらの疾患の発症機構については不明な点が多く残されており,有効な治療法も限られている.近年,ヒト胎盤の主要な構成細胞である栄養膜細胞の長期培養系が確立されたことで,栄養膜細胞の発生分化のしくみを詳細に解析することが可能になった.さらに,妊娠中の合併症の原因となる栄養膜細胞の異常を試験管内で再現し,発症機構の解明に役立てようとする試みも進んでいる.本稿では,栄養膜細胞の長期培養系と疾患研究への応用について,最新の知見を紹介したい.

栄養膜幹細胞(TS細胞),胎盤オルガノイド,全胞状奇胎,妊娠高血圧腎症,母子感染症

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