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ヒト栄養膜幹細胞を用いたMPSの開発と創薬応用

Development of MPS using human trophoblast stem cells and its application in drug development
堀 武志,梶 弘和
Takeshi Hori1)/Hirokazu Kaji1)〜3):東京科学大学総合研究院生体材料工学研究所診断治療システム医工学分野1)/東京科学大学総合研究院自律システム材料学研究センター(ASMat)2)/東京科学大学大学院医歯学総合研究科3)
10.18958/7683-00001-0001856-00

サリドマイド薬害事件では,妊娠初期にサリドマイドを服用した妊婦の胎児に奇形が生じ大きな問題となった.齧歯類を用いた安全性試験ではその毒性を予測することができなかった.現在でも妊婦は胎児への影響を懸念して医薬品の使用を控える傾向があるが,母体から胎児への薬物の移行をより正確に評価可能な系ができれば,妊婦や家族の不安を軽減し,生活の質の向上に寄与できるものとして研究が活発に行われている.本稿では,母体-胎児間の物質移行量を評価するための「胎盤バリアモデル」について,従来のモデルからわれわれが開発した最新のモデルまでを解説したい.

生殖発生毒性試験,microphysiological system(MPS),胎盤バリアモデル,栄養膜幹細胞

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