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群雄割拠のシークエンス新時代技術革新はあなたの研究戦略をどう変えるのか?

The new competitive era of sequencing
10.18958/7833-00036-0006194-00
鈴木 穣
Yutaka Suzuki:東京大学大学院新領域創成科学研究科附属生命データサイエンスセンター/東京大学大学院新領域創成科学研究科メディカル情報生命専攻

本特集においては,次世代シークエンサーをとり巻く現在起こりつつある急速な状況の変化について概説したい.今から20年ほど前,次世代シークエンサーはヒトゲノムDNAの変異・多型を検出すべく開発された.旧来のシークエンサーに比して飛躍的に低減した解析能力は,幾次かの性能向上を経て,1000人ゲノム,Genomics England等と次第に大きくなるポピュレーションレベルでのヒトゲノムの解析を可能としている.現在,全ゲノムがシークエンスされた個人は100万人を超える.また総計数万検体を超える多様ながん・難病のゲノムシークエンスも実施され,多くの疾患関連変異がカタログ化された.これらの成果は,見出された変異・多型の有無を個々の患者に対して同定することにより,患者を層別化して治療方針の策定につなげていく,いわゆる最適化医療へという形で結実している.

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