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人工受容体技術が変革するCAR-T細胞医薬のデザイン

Smart cell therapeutics developed by synthetic receptor innovations
戸田 聡
Satoshi Toda:Nano Life Science Institute, Kanazawa University(金沢大学ナノ生命科学研究所)
10.18958/7371-00001-0000627-00

近年,血液がんを標的としたCAR-T細胞療法に代表されるように,がんを認識して排除するようにデザインした細胞医薬の開発・検証が世界的に行われている.細胞医薬が,低分子や抗体などの従来の薬と大きく異なる点は,生体内環境の変化を認識して応答する情報処理能力にあり,これにより治療因子を必要な場所に必要なタイミングで届けることが可能となる.このような細胞医薬を開発するには,細胞のふるまいを制御する遺伝子やタンパク質の理解に加えて,周囲の細胞とどのように相互作用するかをデザインできる人工受容体技術がカギとなる.

合成生物学,デザイナー細胞,人工受容体,synNotch,SNIPR,人工接着分子

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