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VEGFの過剰は血管と免疫の両面から腫瘍微小環境の悪化をもたらす

Deterioration of the tumor microenvironment due to excessive VEGF
10.18958/7971-00036-0006404-00
髙倉伸幸
Nobuyuki Takakura:大阪大学微生物病研究所情報伝達分野

血管は,その内腔に張り巡らされた血管内皮細胞と,それをとり巻く壁細胞により主に構築される.既存の血管から新しい血管が形成される過程は血管新生とよばれるが,この過程において血管内皮成長因子(vascular endothelial growth factor:VEGF)とよばれるタンパク質が血管内皮細胞の増殖・移動に関与して新しい血管の形成を促進する.VEGFは腫瘍における血管新生にも関与しており,VEGFやその受容体を制御する治療薬が腫瘍血管新生阻害剤として臨床的に応用されてきた.近年,このVEGFに腫瘍免疫を抑制する作用があることが判明しつつあり,VEGFシグナルの遮断と免疫チェックポイント阻害剤との併用効果が報告されてきている.

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  • 【スマホで読める実験医学】概論:VEGFの過剰は血管と免疫の両面から腫瘍微小環境の悪化をもたらす
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