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血管炎とサイトカインストームの関連性

Cytokine storm and vasculitis syndrome
石橋知彦,中岡良和
Tomohiko Ishibashi/Yoshikazu Nakaoka:Department of Vascular Physiology, National Cerebral and Cardiovascular Center Research Institute(国立循環器病研究センター研究所 血管生理学部)
10.18958/6765-00001-0000698-00

血管炎(症候群)は全身性血管炎ともよばれ,血管壁を炎症の場とする疾患である.血管壁に免疫細胞が接着・浸潤して,血管壁の構造を破壊して,血管の破綻や血管内腔の狭窄や閉塞を引き起こす.従来,血管炎に対する治療は副腎皮質ステロイドが中心であったが,近年,生物学的製剤による抗サイトカイン療法が治療に用いられるようになっている.本稿では,血管炎の病態形成におけるサイトカインの役割とサイトカインストームの関連性,血管炎に対する治療としての抗サイトカイン療法の現状と可能性を述べる.

血管炎症候群,炎症性サイトカイン,川崎病,高安動脈炎,COVID-19

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