実験医学:時間的・空間的に見る 生命医科学の最新テクノロジー〜分子・脳機能イメージングから合成生物学まで
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実験医学 2010年1月号 Vol.28 No.1

時間的・空間的に見る

生命医科学の最新テクノロジー

分子・脳機能イメージングから合成生物学まで

  • 瀬藤光利/企画
  • 定価 1,800円+税
  • 2009年12月発行
  • B5判
  • 133ページ
  • ISBN 978-4-7581-0055-7
  • 販売状況: 注文可能(在庫なし,電子版あり)
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質量顕微鏡を用いた新たな分子解析手法から,超解像顕微鏡やPET・MRIによる分子・脳機能イメージング,人工遺伝子回路・四次元細胞モデルの構築まで,生命医科学の未踏領域に迫る最新テクノロジーを大特集!

《企画者のことば》

シドニー・ブレナーは言った.「科学は,新しいテクノロジー,新しい発見,新しいアイデア,おそらくこの順に依存して進歩する」 と.新しいテクノロジーを開発し,また身につけることは科学の最先端である.昨今,次々と登場する超高速シークエンス法,夢のリプログラミングを可能にしたiPS細胞,生体に近い条件で生命現象をとらえる可視化法などの新しい技術は,基礎研究の成果を医学に応用する実験医学において必要不可欠なものとなっている.本特集では,特に時間的・空間的な解析により得られた興味深い生命現象について,第一線の筆者に,テクノロジーの進歩や研究アプローチの解説とあわせて紹介いただく.さらに,実際にどのような知見が得られたのか,どのような研究に利用できるのか,考えられる研究戦略,医療応用への展望についても触れていただく.

目次

特集

分子・脳機能イメージングから合成生物学まで
生命医科学の最新テクノロジー
企画/瀬藤光利
概論:時間的・空間的な生命現象理解のための最新テクノロジー【瀬藤光利】
シドニー・ブレナーは言った.「科学は,新しいテクノロジー,新しい発見,新しいアイデア,おそらくこの順に依存して進歩する」 と.新しいテクノロジーを開発し,また身につけることは科学の最先端である.昨今,次々と登場する超高速シークエンス法,夢のリプログラミングを可能にしたiPS細胞,生体に近い条件で生命現象をとらえる可視化法などの新しい技術は,基礎研究の成果を医学に応用する実験医学において必要不可欠なものとなっている.本特集では,特に時間的・空間的な解析により得られた興味深い生命現象について,第一線の筆者に,テクノロジーの進歩や研究アプローチの解説とあわせて紹介いただく.さらに,実際にどのような知見が得られたのか,どのような研究に利用できるのか,考えられる研究戦略,医療応用への展望についても触れていただく.
遺伝子発現ゆらぎの解析と応用【津留三良/應 蓓文/四方哲也】
遺伝子の発現制御は,発生や分化,適応と進化などの多くの重要な生命現象にかかわっており,その秩序だった側面に注目が集まってきた.しかしながら,コンピュータをはじめとする人工物と違い,遺伝子発現の制御は生化学反応として避けられない確率的なゆらぎが発生し,細胞の運命決定を大きく左右する効果がある.本稿では,人工的な遺伝子発現制御回路を構成することで,制御とゆらぎとの関係および生物的ゆらぎの機能を明らかとする最新の研究手法と成果について紹介する.
MRIを用いた脳機能イメージング研究【田邊宏樹/定藤規弘】
ヒトを対象とした非侵襲脳機能イメージング研究は爆発的な広がりをみせている.本稿ではMRI(magnetic resonance imaging:磁気共鳴画像法)を用いた脳機能イメージング研究について,まず脳活動を可視化する手法として広く用いられているボールド効果について述べる.次にいわゆる脳機能マッピングの方法論と最近注目されている領域間結合解析を用いた機能統合研究について,われわれの行った研究例を交えて概説する.最後に従来の脳機能マッピングとは異なるアプローチである脳の情報をデコーディングする研究について触れる.
生体機能を定量・可視化するPETによる解析【尾内康臣】
生命現象で生じるさまざまな反応エネルギーが光のエネルギーに変換され,それをとらえられる超高感度のPETカメラが存在するならば,それはスーパーカミオカンデでキャッチしたニュートリノと同様,世紀の大革命になる.しかし残念ながら現在のPETは生命現象の一部の反応に光を放出する薬剤で修飾を施すことしかできず,得られる光は一塊としての組織情報をもつに過ぎない.したがって,細胞レベルでの解析においてはPETの出番はなく,威力を発揮するのは小動物以上の生命個体を生きたまま,組織レベルでその生体現象を可視化するときである.本稿ではPETでとらえられる生体現象について,主に脳神経領域において得られた最新の知見を紹介するとともに,PETのもつ可能性と将来展望について概説する.
質量顕微鏡による解析【倉部誠也/杉浦悠毅/瀬藤光利】
質量顕微鏡法は1回の解析で数万に及ぶ分子の分布を定量的に解析できる手法である.解析対象となる分子種を選ばないことから幅広い分野への応用が試みられている.特に癌や神経系などの疾患分野ではバイオマーカーの探索に利用することができ,また,脂質を含む代謝産物を解析可能であることからメタボローム解析においても有効なツールとなりえる.本稿では特に生化学や臨床分野と深くかかわりのある脂質,糖脂質およびタンパク質に焦点を絞って,質量顕微鏡法がどのような分野に応用でき,またどのようなデータを取得できるかについて,具体的な解析例を提示して概説したい.
蛍光・発光タンパク質を用いた再構成法による分子イメージング【小澤岳昌】
生命科学を探究するために,蛍光タンパク質や発光タンパク質を利用した数々の技術が開発されている.なかでもタンパク質再構成法は,生体分子そのものの局在に加え細胞内イベントを可視化する技術として近年多くの応用研究が報告されている.ここでは,タンパク質再構成法の基本原理を解説し,生命科学研究にどのように応用されているか,最近の報告を交えて紹介する.
光学顕微鏡が光学顕微鏡を超える超解像技術【伊集院 敏】
光を使って小さな物体を見るという光学顕微鏡の世界においてその分解能はほぼ理論限界に到達し,およそ200 nmよりも高い分解能が要求される観察においては,電子顕微鏡に代表される他の拡大観察手段にその役目を譲らなければならないと考えられていた.しかしながら光学顕微鏡にはそれらの拡大観察装置と比較してより多くの有利な点があり,光学でありながらより高い分解能をもった顕微鏡の出現が切望されている.近年,光学顕微鏡の分解能の壁を打ち破るためのさまざまな試みが盛んに行われており,それらのいくつかの方法,すなわち超解像技術が現実のものとなりはじめた.本稿では,代表的な超解像技術についてSTED顕微鏡を中心として紹介する.
クライオ電子顕微鏡法-生きた状態に近い生体分子の真の姿を求めて【伊藤喜子/宮澤淳夫】
電子顕微鏡法による生物試料の観察で,「クライオ」と称される凍結技法に注目が集まっている.高真空中で電子線を照射して観察を行う電子顕微鏡では,真の形態の観察をめざして試料作製と試料観察にさまざまな挑戦がなされてきた.一切の物理的・化学的な処理を施さず,生体そのものを直接見ること—この夢の実現をめざして,原子レベルから組織・細胞レベルまで広範な分解能において,さまざまな取り組みが行われている.生物試料を対象とした場合,現在注目のターミネーターが,生命を瞬間的に凍結固定して観察する本稿のクライオ電子顕微鏡法である.
情報処理による生命現象の時空間解析手法の開発【横田秀夫】
近年,顕微鏡と蛍光標識技術の急速な進展により,ライブセルイメージング技術が確立され,細胞の四次元(時系列の三次元)画像の取得が可能となってきた.この観察画像を情報として取り扱うことにより,定量化したデータに変化させることが可能になる.この情報からは,システムズバイオロジーやシミュレーションなどの新たな生物学を切り開くことができると確信している.本稿では,工学系研究者の立場からみた,定量化した生物学のための情報基盤技術の開発について述べ,実例として,生命現象の定量化のための高次画像処理,多次元情報の可視化技術,細胞シミュレーションの試みについて紹介する.

特別インタビュー

Microbiome—微生物が語るメタボリズムの新たな理解〜創造性と知性と寛容の精神から生まれた発想〜【Jeffrey I. Gordon】

トピックス

カレントトピックス
リン酸化プロテオミクスで明らかとなったERKによる核膜孔複合体の機能制御【小迫英尊】
脂肪細胞のエンジニアリング【梶村真吾】
ニューロン同士をつなぐ神経突起の除去か維持かの決定におけるWnt-Ror経路の役割【林 悠】
プレTCRシグナルはEタンパク質の活性を抑制することによりNotch1の発現を調節する【大谷有美/大谷卓也/Warren S. Pear】
News & Hot Paper Digest
miRNAの分解とRISCのリサイクリング【波田一誠】
進化をも読む次世代シークエンサー【中川真一】
バイオマテリアル技術を利用した樹状細胞の体内癌免疫活性化【田畑泰彦】
RNAポリメラーゼⅡとTFⅡB複合体の結晶構造【黒川理樹】
非ウイルス性のiPS細胞作製方法がさらに進展【MSA Partners】

連載

クローズアップ実験法
核内局在ノンコーディングRNAの簡便で効率のよいノックダウン法【井手上 賢/廣瀬哲郎】
難治疾患
子宮内膜癌と臨床的問題【宇都宮 裕貴/八重樫 伸生】
モデル生物の歴史と展望
第8回 バイオリソース・ラットの歴史と展望—福をもたらす実験動物【芹川忠夫】
ラボレポート-独立編-
嵐のち晴れ,シンガポールにて—Temasek Life Sciences Laboratory【伊藤寿朗】
Campus & Conference探訪記
若手生命科学シンポジウム徳島2009—新しい生命科学者像をつくる【佐藤正晃】

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  • 【本書名】実験医学:時間的・空間的に見る 生命医科学の最新テクノロジー〜分子・脳機能イメージングから合成生物学まで
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