次号予告実験医学増刊号

次号 実験医学増刊 Vol.38 No.5(2020年2月5日発行予定)

構造生命科学からトランススケール・イメージングによる細胞動態学へ(仮題)

編集/田中啓二(東京都医学総合研究所),若槻壮市(米国SLAC国立加速器研究所/スタンフォード大学医学部)

近年,ライフサイエンス研究分野における構造生物学は「解く構造」から「使う構造」にまで発展していきました.X線自由電子レーザー(XFEL)やクライオ電子顕微鏡、高速原子間力顕微鏡(高速AFM)などの技術革新によって,原子、分子から巨大複合体の「構造生命科学」が実現されてきましたが,これらの知見を基に,今後は対象をオルガネラや細胞にまで広げてダイナミクス解明をめざす「トランススケール計測」への発展が求められています.
本増刊号はそのような期待に応えるべく,「構造生命科学からトランススケール計測へ」の手引となることをめざして企画をしています.まず第1章で最近の技術革新を俯瞰しそれらを用いることで解明された生命科学課題と成果についてまとめ,第2章ではこれらの技術開発と研究成果から生まれてきた新たな研究ターゲット,膜を介さない相分離や,ゲノム編集,細胞内,細胞間コミュニケーションなどの研究で解決すべき問題とそれを可能にするために必要な新たな技術開発の必要性などをまとめ今後の方向性を示したいと考えております.そして第3章では構造生命科学からトランススケール計測への国内外の動向,第4章では新たな研究展開を支えていくための研究インフラについて紹介することで,将来の方向性を議論する礎にできるよう希望しています.
最新の構造生命科学研究成果、新技術の紹介から,今後推進されるべきトランススケール計測技術や新たな研究アプローチ,さらには当該分野の世界状況等を網羅した内容としたいと思っています.(編者より)

  • はじめに(序にかえて)【若槻壮市】

第1章 近年の技術革新と解かれた構造

  • 概論【若槻壮市】
  • 1)クライオ電子顕微鏡(単粒子解析)
    • 技術革新と注目の成果①【西澤知宏】
    • 注目の成果②【胡桃坂仁志】
    • 注目の成果③【遠藤斗志也・荒磯裕平】
  • 2)クライオ電子顕微鏡(トモグラフィー)― 技術革新と注目の成果【福田善之】
  • 3)高速AFM ― 技術革新と注目の成果【安藤敏夫】
  • 4)X線結晶構造解析
    • 技術革新【千田俊哉】
    • 注目の成果①【清水敏之】
    • 注目の成果②【樋口芳樹】
  • 5)1分子チップ ― 技術革新と注目の成果【渡邉力也】
  • 6)RNA-MS ― 技術革新と注目の成果【田岡万悟・礒辺俊明】

第2章 構造生命科学からトランススケール・イメージングによる細胞動態学へ

  • 概論【蔡 慧玲】

<トランススケールな解析が待たれる生命科学の未解決課題>

  • 1)柔らかい構造の可視化①LLPSと膜動態を例に【野田展生】
  • 2)柔らかい構造の可視化②LLPSとタンパク質を例に【佐伯 泰】
  • 3)柔らかい構造の可視化③LLPSと核酸を例に【中川真一】
  • 4)ゲノム編集の可視化(イメージング技術の融合)【西増弘志】
  • 5)細胞内シグナリング調節のトランススケールな理解①細胞内品質管理を例に【稲葉謙次】
  • 6)細胞内シグナリング調節のトランススケールな理解②GPCRを例に【岩田 想】
  • 7)細胞内シグナリング調節のトランススケールな理解③ATPaseを例に【村田武士】
  • 8)細胞内シグナリング調節のトランススケールな理解④細胞骨格を例に【仁田 亮】
  • 9)細胞間コミュニケーションのトランススケールな理解①繊毛を例に【吉川雅英】
  • 10)細胞間コミュニケーションのトランススケールな理解②シナプス形成を例に【深井周也】

<トランススケールな解析を実現するための技術的課題>

  • 11)光学イメージング(超解像など)と構造イメージングの融合【岡田康志】
  • 12)in cell構造生物学【伊藤 隆】
  • 13)トランススケール計算科学(分子・細胞・組織・個体レベルのデータをつないでいく戦略について)【松田道行】

第3章 構造生命科学の世界動向

  • 概論【若槻壮市】
  • 1)日本【神田大輔】
  • 2)米国【古川浩康】
  • 3)中国【服部素之】
  • 4)EU①【Leonard Chavas】
  • 5)EU②【中根崇智】
  • 6)Bio-computationに関する世界的取り組み【木原大亮】

第4章 活用可能なデータベースとプラットフォーム

  • 1)クライオ電子顕微鏡を使いたいと思ったら【千田俊哉・安達成彦】
  • 2)X線結晶構造解析/XFELを使いたいと思ったら【山本雅貴・平田邦生】
  • 3)高速AFMを使いたいと思ったら【古寺哲幸】
  • 4)生体高分子の構造データの検索と解析ならPDBj【栗栖源嗣】
  • 5)PDBj以外の有用なデータベース・ウェブツール【水口賢司】
  • おわりに【田中啓二】

※ タイトルはすべて仮題です.内容,執筆者は変更になることがございます.

今後のラインナップ
増刊号 Vol.38 No.2(2020-01-20発行予定)
いま、本格化する 遺伝子治療
2020年2月号 Vol.38 No.3(2020-01-20発行予定)
【特集】PAIN—痛み
2020年3月号 Vol.38 No.4(2020-02-20発行予定)
【特集】複雑な形質のゲノム医科学(仮)
増刊号 Vol.38 No.5(2020-03-05発行予定)
構造生命科学からトランススケール・イメージングによる細胞動態学へ(仮)
2020年4月号 Vol.38 No.6(2020-03-20発行予定)
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