次号予告実験医学増刊号

次号 実験医学増刊 Vol.38 No.2(2020年1月20日発行予定)

難治性疾患を治せる病に 遺伝子治療の本格的幕開け(仮題)

編集/小澤敬也(自治医科大学 免疫遺伝子細胞治療学講座,遺伝子治療研究センター)

遺伝子治療が再び世界的に脚光を浴びている.2017年に急性リンパ芽球性白血病と悪性リンパ腫に対するCD19抗原特異的-キメラ抗原受容体(CAR)-T細胞療法が米国FDAで承認された.さらに同年12月には網膜疾患(レーバー先天性黒内障)に対するAAVベクター遺伝子治療も承認された.その他,血友病や脊髄性筋萎縮症に対するAAVベクター遺伝子治療も承認間近となっている.深刻な副作用(レトロウイルスベクターによる遺伝子導入で挿入変異を契機とした白血病の発生)でしばらく停滞していた造血幹細胞遺伝子治療もベクターの改良によりこの問題が克服され,現在ではレンチウイルスベクターを用いることにより安全性と有効性がさらに高まっている.最近では,ゲノム編集技術を応用した遺伝子治療の開発研究が急速に進展し,様々な戦略の臨床試験も既に始まっている.このように遺伝子治療の実用化研究が驚くべき勢いで発展,活発化してきており,本増刊号はその最新動向を要領良く把握できるように企画したものである.(編者より)

  • 序【小澤敬也】

概論

  • 遺伝子治療の最新動向:本格的に進み始めた実用化【小澤敬也】

第1章 遺伝子治療の基盤技術

  • 1)AAVベクター【中井浩之】
  • 2)レンチウイルスベクター【島田 隆】
  • 3)ゲノム編集技術【鐘ヶ江裕美】

第2章 造血幹細胞遺伝子治療

  • 1)免疫不全症に対する造血幹細胞遺伝子治療【内山 徹】
  • 2)副腎白質ジストロフィーなどに対する造血幹細胞遺伝子治療【大橋十也】
  • 3)造血幹細胞遺伝子治療の課題と展望【小野寺雅史】

第3章 AAVベクター遺伝子治療

Ⅰ.局所投与による方法

  • 1)神経系遺伝子治療【山形崇倫】
  • 2)網膜疾患に対する遺伝子治療【渡辺すみ子】

Ⅱ.静脈注射による方法

  • 3)血友病に対する遺伝子治療【大森 司】
  • 4)脊髄性筋萎縮症や筋ジストロフィーに対する遺伝子治療【武田伸一】

Ⅲ.AAVベクター遺伝子治療の課題と展望

  • 5)AAVベクターの大量製造法と精製法【岡田尚巳】
  • 6)AAV中和抗体の問題と対策【水上浩明】
  • 7)AAVベクターのカプシド改変及び対象疾患拡大に向けて【村松慎一】

第4章 遺伝子改変T細胞療法

Ⅰ.遺伝子改変T細胞療法の現状

  • 1)造血器腫瘍に対するCAR-T細胞療法【大嶺 謙】
  • 2)固形がんに対するTCR-T細胞療法【影山愼一】
  • 3)ゲノム編集技術の応用:ユニバーサルCAR-T,免疫チェックポイント阻害など【池田裕明】

Ⅱ.遺伝子改変T細胞療法の課題と展望

  • 4)CARの構築と改良:長期的有効性を高める戦略【平野直人】
  • 5)固形がんに対する複合療法の戦略【藤原 弘】

第5章 その他の遺伝子治療関連ストラテジー

Ⅰ.腫瘍溶解性ウイルス療法

  • 1)食道がんに対する遺伝子組換えアデノウイルス(テロメライシン)【藤原俊義】
  • 2)腫瘍溶解性ウイルス療法の実用化と今後の展望【谷 憲三朗】
  • 3)メラノーマや膵がんに対する自然変異型HSV(C-REV)【田中舞紀】

Ⅱ.プラスミドDNA筋注法

  • 4)プラスミド筋注による重症虚血肢に対する遺伝子治療【森下竜一】

第6章 規制・知財・医療経済的視点

  • 1)遺伝子治療の規制について(カルタヘナ法を含む)【内田恵理子】
  • 2)ゲノム編集治療のPoints to consider【山口照英】
  • 3)遺伝子治療の商業化に向けた知財の視点【白形由美子,逢坂 敦】
  • 4)高額医療に対する医療経済的視点【池田俊也】

第7章 最近のトピックス

  • 1)HIV感染症やサラセミアに対する遺伝子破壊ゲノム編集治療【三谷幸之介】
  • 2)造血幹細胞のゲノム修復治療に向けた基盤技術開発【花園 豊】
  • 3)AAVベクターを用いたin vivoゲノム編集治療【平本貴史,大森 司】
  • 4)がん特異抗原の探索とCAR-T細胞療法への応用【保仙直毅】
  • 5)トランスポゾン法によるCAR-T細胞の製造【中沢洋三】
  • 6)ネオアンチゲンを標的としたがんに対するTCR-T細胞療法の展望【花田賢一】
  • 7)iPS細胞由来若返りT細胞療法の開発【安藤美樹】

※ タイトルはすべて仮題です.内容,執筆者は変更になることがございます.

今後のラインナップ
2020年1月号 Vol.38 No.1(2019-12-20発行予定)
【特集】iPS細胞のいま
増刊号 Vol.38 No.2(2020-01-20発行予定)
遺伝子治療の本格的幕開け(仮)
2020年2月号 Vol.38 No.3(2020-01-20発行予定)
【特集】PAIN〜メカニズムと新たな役割〜(仮)
2020年3月号 Vol.38 No.4(2020-02-20発行予定)
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増刊号 Vol.38 No.5(2020-03-05発行予定)
構造生命科学からトランススケール・イメージングによる細胞動態学へ(仮)
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