編集/山崎和久(理化学研究所統合生命医科学研究センター)
近年、口腔細菌あるいは口腔細菌のディスバイオーシスが誘発する歯周病などの疾患が遠隔の臓器・組織における病態に関わっていることが改めて大変注目されている。歯周病などの口腔内炎症性疾患と全身疾患の関連はFocal infection theoryとして19世紀末から20世紀初頭にかけて広く受け入れられ、骨髄炎、消化器障害、水癌、ジフテリア、結核などの治療・予防目的として広範な抜歯などが行われた。当然、当時の科学では因果関係を明らかにできるはずもなく、当然の帰結として、こうした学説とそれに基づく治療は衰退していくことになった。生命科学研究の進歩は20世紀後半になって再び両者の関係に焦点を当てていくことになる。疫学研究は歯周病と様々な疾患の関連を明らかにし、細菌学・免疫学などの研究進展により因果メカニズムが解明されつつある。本特集号では、口腔細菌叢と全身疾患の関連研究の現在地をこの分野に精通した先生方に俯瞰していただき、腸内細菌叢に次ぐ規模と多様性を持つ口腔細菌叢の健康への関わりについての理解と研究が進むことを期待する。(編者より)
※ タイトルはすべて仮題です.内容,執筆者は変更になることがございます.