次号予告実験医学増刊号

次号 実験医学増刊 Vol.44 No.2(2026年1月20日発行予定)

食品・栄養で制御する腸内細菌叢と健康 〜個別化栄養,各種バイオティクスを理解し evidence-based healthcareへ(仮)

編集/木村 郁夫(京都大学大学院生命科学研究科)

古来より「医食同源」として知られるように、食と健康の関係は極めて密接である。近年では、最新の分析・解析技術の進展により、腸内細菌叢を介した栄養素の代謝や免疫調節機構の科学的解明が飛躍的に進み、ますます注目を集めている。特に、疾患の治療から予防・健康増進へのパラダイムシフトが進む中で、個々人の腸内細菌叢や遺伝的背景に応じた個別化栄養や各種バイオティクスの活用が重要性を増している。本特集では、腸内環境に対する食品・栄養の影響およびその分子機構、各種バイオティクスの応用、さらに個別化栄養に関する最新の研究成果を交え、第一線の研究者に現状と展望を概説いただく。これにより、科学的根拠に基づく次世代型ヘルスケアの構築に寄与することを期待している。(編者より)

  • 序文【木村 郁夫(京都大学)】
  • 概論:腸内環境に基づいた食による生体頑強性強化(仮)【木村 郁夫(京都大学)】

第1章 食品・栄養による腸内細菌叢の制御戦略

  • 1) 食事由来成分の代謝と腸内細菌叢(仮)【竹内 直志,大野 博司(理化学研究所)】
  • 2) 食由来難消化性基質と腸内細菌叢(仮)【金 倫基(北里大学)】
  • 3) ライフステージに基づく食由来栄養素と腸内細菌(仮)【小幡 史明(理化学研究所)】
  • 4) 腸内細菌と宿主肝栄養代謝(仮)【大谷 直子(大阪公立大学)】
  • 5) 腸内細菌による栄養代謝と個体成長(仮)【服部 佑佳子,上村 匡(京都大学)】
  • 6) 腸内細菌による栄養素代謝と宿主恒常性(仮)【藤坂 志帆(富山大学)】
  • 7) 腸内細菌叢と宿主栄養認識受容体(仮)【木村 郁夫(京都大学)】
  • 8) 食機能と腸管上皮栄養認識機構(仮)【佐々木 伸雄(群馬大学)】

第2章 腸内細菌が生み出す機能性分子と各種バイオティクス

  • 1) 母乳オリゴ糖を介したビフィズス菌と宿主共生(仮)【阪中幹祥(龍谷大学),片山 高嶺(京都大学)】
  • 2) 腸内細菌産生菌体外多糖と宿主糖代謝(仮)【宮本 潤基(東京農工大学),木村 郁夫(京都大学)】
  • 3) 腸内細菌アミノ酸代謝物と宿主恒常性(仮)【笹部 潤平(慶應義塾大学)】
  • 4) 食・腸内細菌由来ポリアミンと宿主機能(仮)【栗原 新(近畿大学)】
  • 5) 腸内細菌代謝物の検出と分析(仮)【津川 裕司(東京農工大学),有田 誠(慶應義塾大学)】
  • 6) [Short Article]プレ・プロ・ポストバイオティクス食品応用① (仮)【小田巻 俊孝(森永乳業)】
  • 7) [Short Article]プレ・プロ・ポストバイオティクス食品応用② (仮)【利光 孝之(明治)】

第3章 食と腸内細菌叢による健康・疾患

  • 1) 脳‐腸相関を介した腸内細菌叢と宿主栄養機能(仮)【寺谷 俊昭,金井 隆典(慶應義塾大学)】
  • 2) 腸内細菌による栄養代謝と宿主免疫制御(仮)【村上 真理,竹田 潔(大阪大学)】
  • 3) 食による腸管粘膜免疫の制御と代謝性疾患(仮)【川野 義長,伊藤 裕(慶應義塾大学)】
  • 4) 食と腸内細菌叢による宿主老化制御(仮)【原 英二(大阪大学)】
  • 5) 腸内細菌の栄養代謝嗜好性と宿主恒常性制御(仮)【杉本 康平,鎌田 信彦(大阪大学)】
  • 6) 食事因子と腸内細菌による粘膜免疫応答(仮)【長谷 耕二(慶應義塾大学)】

第4章 個別化栄養とEvidence-based healthcare(EBH)

  • 1) 食と腸内細菌叢の多重安定性と生態系機能の制御(仮)【東樹 宏和(京都大学)】
  • 2) 個々の食習慣に基づいた腸内細菌叢解析(仮)【須田 亙(理化学研究所)】
  • 3) 食事・病気・人種集団に基づいた腸内微生物叢解析(仮)【池田 一史,岡田 随象(東京大学)】
  • 4) 腸内細菌叢を考慮した栄養指導・介入(仮)【内藤 裕二(京都府立医科大学)】
  • 5) 腸内細菌叢制御と個別化栄養(仮)【國澤 純(医薬基盤・健康・栄養研究所)】
  • 6) 腸内細菌制御に基づいた社会実装戦略(仮)【福田 真嗣(慶應義塾大学)】

※ タイトルはすべて仮題です.内容,執筆者は変更になることがございます.

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