企画/北村忠弘(群馬大学生体調節研究所)
20世紀初頭のインクレチンとグルカゴンの発見は,血糖調節を人為的に操作する糖尿病治療という,近代医療の幕開けを象徴した出来事でした.約100年後の現在,私たちは次なる糖尿病学の新地平に立っています.特に,近年注目されているGLP-1受容体作動薬は血糖降下作用だけでなく,多臓器への影響が明らかになりつつあります.また,GIPやグルカゴンとのデュアルアゴニストやトリアゴニストでは,単一受容体作動薬では得られなかった効果が期待されています.本特集では,基礎研究者を含めた分野外の読者にも興味をもっていただけるよう,インクレチンとグルカゴンの作用機序を中心に,創薬戦略,将来性までをもご紹介いただきます.
※ タイトルはすべて仮題です.内容,執筆者は変更になることがございます.