※ タイトルはすべて仮題です.内容,執筆者は変更になることがございます.
編集/大木理恵子(国立がん研究センター基礎腫瘍学ユニット)
発見から約47年.約半数のがん患者で変異がみられ,がん抑制遺伝子の代名詞ともいえるp53は,「最も研究された(論文数の多い)遺伝子」でありながらも,創薬の壁に阻まれ続けてきました.しかし今,私たちは転換点に立っていると言えるのではないでしょうか.緻密な分子メカニズムの解明と多様化する創薬戦略により,かつてのundruggableな標的は,いよいよ現実的な治療・予防の標的へと変貌を遂げようとしています.まさに,「眠れる守護神」が目を醒ます瞬間です.本特集は,このエキサイティングな状況を整理し,p53標的治療の現在地を読者と共有することを目的に企画いたしました.(編者より)
編集/衣斐寛倫(愛知県がんセンターがん標的治療TR分野)
Undruggableと言われたRASですが,2013年に創薬を可能にするポケットが発見されて以来,急速に開発が進み,2026年2月現在,70剤以上が開発され,200以上の臨床試験が進行中です.本邦では,ソトラシブが,肺がん・大腸がんで承認され,免疫チェックポイント阻害薬や化学療法などとの併用療法が検討されています.また,膵がんにおいても,Tri-complex阻害薬やG12D阻害薬の登場により,第Ⅲ相試験が行われるなど,大きく状況が変わりつつあります.本特集では,基礎編・臨床編に分け,基礎編では現在多数開発されているRAS阻害薬の背景と耐性機序,臨床編では,これまでの臨床成績と開発動向について紹介できればと思います.(編者より)