企画/髙島康弘(京都大学iPS細胞研究所)
受精からはじまる初期発生,特に胚盤胞から着床期にかけての発生は,細胞がダイナミックに運命を決定し個体を決定づける最も重要な時期である.近年胚を試験管内で培養する技術が進展するとともに幹細胞を用いた胚モデルの構築法が開発され,ヒト着床期初期発生が解き明かされようとしている.同時にこのような試験管内のヒト初期発生研究を補完するためには,動物モデルでの解析が非常に重要になる.霊長類を用いた初期発生研究の進展に関しても概説する.最後にこのような幹細胞を利用した胚モデル研究の著しい発展に伴い,新たな倫理問題が惹起された.科学者と社会との対話が重要であり,倫理的問題についても議論する.(企画者より)
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