編集/成田 年(星薬科大学薬理学研究室)
近年,神経系は腫瘍と単に共存するのではなく,その悪性化に積極的に関与することが明らかとなりつつあり,“Cancer Neuroscience”という新たな学問分野として大きな注目を集めています.昨年,本邦でも「がん神経科学研究会」が発足し,多分野の研究者を巻き込んだ力強い潮流が生まれています.本特集では,腫瘍進展をもたらすがん細胞と神経の相互作用から全身への影響,さらに治療への展望まで,本分野の最前線を網羅的に提示することをめざします.本特集が,がん研究の新たなパラダイムを切り拓く契機となることを願っております.(編集部より)
編集/佐野宗一(国立循環器病研究センター研究所)
近年,加齢に伴って男性の体細胞で観察されるY染色体喪失(loss of Y chromosome:LOY)が,がん,免疫,心血管疾患,さらには生命予後との関連も含めて幅広く検討されるようになり,注目が高まっている.一方で,LOYはこれまで老化に伴う所見として捉えられることも多く,その生物学的意味や因果関係については,分野を横断した形での整理がまだ十分とは言えない状況にある.本特集は,「失われたYには意味がある(Y matters when Y is lost)」という視点を共有しつつ,LOYをゲノミクスの基盤から,がん・血液などの疾患文脈,さらに個体レベルでY染色体が存在しないモデル生物に至るまで,異なるスケールと立場から見渡すことを目的として企画した.こうした多面的な議論を通じて,LOYそのものだけでなく,Y染色体の役割についても改めて考える機会になればと願っている.(編者より)
※ タイトルはすべて仮題です.内容,執筆者は変更になることがございます.