実験医学 2006年11月号 Vol.24 No.17

構造解析から見えてきたタンパク質の多彩な機能

膜タンパク質・酵素の機能発現とタンパク質修飾による活性制御機構

  • 岩田 想/企画
  • 2006年10月20日発行
  • B5判
  • 123ページ
  • ISBN 978-4-7581-0117-2
  • 定価:1,800円+税
  • 在庫:なし
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《企画者のことば》本特集では各種ゲノムプロジェクト,構造ゲノムプロジェクトによって開発された技術,得られた情報を使うことにより,ポストゲノム時代のどのような構造生物学が可能になり,どのようなタンパク質の機能が明らかになるかについてまとめた.具体的には,膜タンパク質,タンパク質複合体,タンパク質相互作用および制御そして構造生物と化学との融合という4分野において先進的なタンパク質の構造機能研究の例を紹介する.

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近年,タンパク質の機能解析を,構造面からアプローチすることが可能となっています.本特集では,膜タンパク質,酵素など,生体機能にかかわるさまざまなタンパク質における最新の構造機能研究をご紹介します.

目次

特集

構造解析から見えてきたタンパク質の多彩な機能
膜タンパク質・酵素の機能発現とタンパク質修飾による活性制御機構
企画/岩田 想
概論〜形から機能へ —ポストゲノム時代の構造生物学【岩田 想】
本特集では各種ゲノムプロジェクト,構造ゲノムプロジェクトによって開発された技術,得られた情報を使うことにより,ポストゲノム時代のどのような構造生物学が可能になり,どのようなタンパク質の機能が明らかになるかについてまとめた.具体的には,膜タンパク質,タンパク質複合体,タンパク質相互作用および制御そして構造生物と化学との融合という4分野において先進的なタンパク質の構造機能研究の例を紹介する.
トランスポーターの立体構造と機能【山下敦子】
トランスポーターは,各種の有機物などを生体膜を介して輸送をする機能をもつ膜タンパク質で,そのうちの多くはATPの加水分解やイオンの電気化学勾配などのエネルギーを利用して濃度勾配に逆らった能動輸送を行うことができる.トランスポーターの構造研究は遅れていたが,最近になっていくつかの分子で次々とその結晶構造が報告され,ようやく構造をもとに機能を議論できる時代に突入した.本稿では近年蓄積しはじめたトランスポーターの構造に関する知見にもとづき,「膜を介してものを運ぶ」というその機能との関連について論考したい.
見えてきたV-ATPaseの構造と活性調節メカニズム【横山 謙】
V-ATPaseは広く生物界に分布し,ほとんどの膜系に存在する回転触媒機構で働くプロトンポンプである.複数の異なるサブユニットからなる巨大な膜タンパク質であり,構造生物学のターゲットとして必ずしも適していない.そのため重要なタンパク質であるにもかかわらず構造に関する知見は限られてきた.本稿では,最近急速に理解が進みつつあるV-ATPaseの構造情報について紹介する.
SUMO化によるタンパク質機能調節の構造的基盤【白川昌宏/馬場大地】
SUMO(small ubiquitin-like modifier)は,タンパク質のリジン残基側鎖に付加し,被修飾タンパク質の,分子間相互作用を変化させることで,細胞質-核間輸送,クロマチンなどの核内構造,転写,DNA修復,ストレス応答,細胞周期,染色体分離,生物時計,細胞膜のイオン透過といった広範な細胞機能の制御にかかわる.われわれは SUMO-1およびSUMO-3によって修飾を受けたDNA修復酵素,チミンDNAグリコシラーゼ(TDG)中央領域の立体構造を解析した.SUMO化によるTDGのDNA結合調節の構造的基盤を論じる.
発光酵素「ルシフェラーゼ」の反応過程の立体構造【加藤博章/中津 亨】
ホタルのルシフェラーゼの発光反応は,細胞生物学研究はむろんのこと,in vivoの分子イメージングなどの医学研究でも広く用いられている.この発光反応の最大の謎の1つは,発光色制御のメカニズムである.長らく謎だったこのしくみがルシフェラーゼの反応過程の各段階の結晶構造を精密に解析して,反応に伴う活性中心の動きが解明されることで明らかになった.
低分子量Gタンパク質を介したシグナル伝達に関わるタンパク質の構造と機能【白水美香子/村山和隆/新野-柊元 睦子/嶋田 睦/横山茂之】
低分子量Gタンパク質は,細胞内シグナル伝達において分子スイッチとして働き,細胞の増殖や分化,細胞骨格系や細胞の運動性の制御において重要な役割を担っている.本稿では,低分子量Gタンパク質Racの制御因子であるAsefタンパク質,Rapの結合ドメインであるRUNドメイン,および,Rhoファミリーのエフェクタータンパク質に含まれるEFCドメインの立体構造と,その構造から推測される機能発現のメカニズムについて議論する.
膜結合ATP依存性プロテアーゼFtsHによるポリぺプチド取り込み機構【寿野良二/土屋大輔/吉田賢右/森川耿右】
細胞は,不要あるいは不良になったタンパク質を見分けて分解し,タンパク質の品質や細胞の動態を管理している.FtsHとよばれる膜に結合しているプロテアーゼは,細菌の細胞膜,ミトコンドリアの内膜,植物の葉緑体チラコイド膜などの膜タンパク質の品質管理に重要な役割を果たしている.FtsHは,ATPを使って基質となるタンパク質を解きほぐしながら取り込んで,内部にあるプロテアーゼ活性部位に運ぶと考えられる.しかし,その分子的な機構について具体的なことは不明であった.最近,FtsHの立体構造が明らかになり,これについて多くの示唆が得られた.

トピックス

カレントトピックス
IP3受容体からIP3により放出される新規分子IRBITの発見【御子柴克彦】
p53によるミトコンドリア呼吸の制御【的場聖明/松原弘明】
神経回路再編成時におけるグリア細胞による神経軸索の貪食【粟崎 健/伊藤 啓】
From inside out:生体内での血管管腔形成のメカニズムを追う【亀井 亮】
News & Hot Paper Digest
ゲノムはヌクレオソームの位置もコードしていた【黒川理樹】
新生ポリペプチド鎖が小胞体へ移行する前にプロテアソーム分解に導くしくみ【神谷 由紀子/加藤晃一】
CTLA-4によるT細胞“Stop Signal”の拮抗【島岡 要】
炎症,免疫,癌のクロストーク【竹田和由】
CentrioleとCiliaの役割と重要性【芝 大/武内恒成】

連載

科学する心を語る
Maturation(成熟)〜これまでも,これからも【谷口維紹】
免疫・がん研究にかける夢と個性を生かす大切さ【谷口維紹】
クローズアップ実験法
Phos-tagを用いたリン酸化タンパク質の検出法(2)アクリルアミド化Phos-tagを用いたリン酸アフィニティー電気泳動【木下恵美子/木下英司/小池 透】
研究者のためのイラスト実践講座
第4回 分子,矢印,DNAを描く【秋月由紀】
疾患解明Overview
統合失調症の分子機構研究の最前線【西川 徹】
私が名付けた遺伝子
第23回 mukB〜染色体分配に関与する最大級の遺伝子〜【平賀壯太】
ラボレポート−独立編−
シアトルでの新たなる挑戦〜Fred Hutchinson Cancer Research Center【谷口俊恭】

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