実験医学増刊 Vol.22 No.5

免疫研究のフロンティア

分子,細胞から個体レベルでの免疫システムの解明とそれが導く新しい臨床応用

  • 中山俊憲,清野 宏,笹月健彦/編
  • 2004年03月19日発行
  • B5判
  • 226ページ
  • ISBN 978-4-89706-102-3
  • 定価:5,400円+税
  • 在庫:なし
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近年,免疫をシステムとしてとらえ,個々の免疫研究の成果をその中に位置づけて考える傾向が強くなってきている.本書では,免疫システムを担うユニークな分子,遺伝子,細胞集団,それらの相互作用,システム成立におけるクロマチンレベルの解析,また粘膜という特殊な場に関して,次々と解明される最新の知見を紹介する.また,免疫関連疾患については免疫システムの破綻としての解析から臨床応用に向けた具体的な取り組みまでを紹介する.世界の最前線で活躍する研究者達が多角的なアプローチを解説します.

目次

概論:システムとしての免疫系〜分子,細胞,場のダイナミックな統合とシステムの破綻としての免疫疾患【中山俊憲】

  • 自然免疫システム
  • 獲得免疫システム
  • 抗原提示細胞とホーミング
  • トレランスと粘膜免疫
  • 免疫と疾患

第1章 自然免疫システム

1. エンドトキシン(LPS)の認識機構とTLR4の活性化機構【斉藤伸一郎,三宅健介】

  • LPSに結合する分子とLPSのプロセッシング
  • TLR4(Toll-like receptor 4)
  • TLR4-MD-2複合体によるLPS認識
  • TLR4-MD-2複合体へのLPSの会合
  • MD-2はLPS認識の特異性を決めている
  • LPS刺激によるTLR4-MD-2の二量体形成

2. TIRドメインを含むアダプター分子群がTLRシグナル伝達経路を担っている〜MyD88依存的経路とMyD88非依存的経路の分子的機序【山本雅裕,審良静男】

  • TLRとTIRドメイン
  • MyD88依存的経路とMyD88非依存的経路
  • 第2のアダプター分子TIRAPはTLR2とTLR4のMyD88依存的経路を制御する
  • 第3のアダプター分子TRIFはTLR3とTLR4のMyD88非依存的経路を担う
  • 第4のアダプター分子TRAMはTLR4のMyD88非依存的経路に特異的に関与する

3. IgAおよびIgM に対するFc受容体とその機能【本多伸一郎,渋谷 彰】

  • FcαRⅠ(CD89)
  • Fcα/μR
  • pIgR(polymeric immunoglobulin receptor)

4. インターフェロン-α/βシグナルによる癌と免疫の制御【高岡晃教,本田賢也,谷口維紹】

  • p53応答系でのIFN-α/βシグナルの重要性
  • インターフェロンと樹状細胞について

5. ペア型レセプター群によるウイルス感染生体防御機構【白鳥行大,荒瀬 尚】

  • ペア型NKレセプター
  • ウイルスによるMHCクラスⅠの発現抑制機構
  • ウイルスMHCクラスⅠ類似分子による宿主免疫逃避機構
  • ウイルスによる活性化NKレセプターのリガンド発現制御機構
  • ウイルス感染とNKレセプターの進化

6. NKT細胞と樹状細胞間における活性化と制御機構【藤井眞一郎】

  • NKT細胞の細胞学的特徴
  • αGalCerを取り込んだ抗原提示細胞によるNKT細胞の活性化:樹状細胞による活性化NKT細胞の維持と抗腫瘍免疫誘導
  • NKT細胞による樹状細胞の活性化の検討:in vivoでのNKT細胞による樹状細胞の成熟化
  • NKT細胞により成熟化した樹状細胞による抗原特異的なT細胞の免疫誘導
  • 完全成熟を起こした成熟樹状細胞による抗腫瘍免疫の誘導
  • 免疫療法とアジュバント効果

第2章 獲得免疫システム

1. Th2/Tc2細胞分化に伴うTh2サイトカイン遺伝子(IL-4,IL-5,IL-13)座のクロマチンリモデリング【山下政克,中山俊憲】

  • Th2サイトカイン発現の協調的な制御
  • クロマチンリモデリングと遺伝子発現
  • ヒストンアセチル化とTh2サイトカイン遺伝子座のクロマチンリモデリング
  • Th2サイトカイン遺伝子座におけるDNaseⅠ高感受性領域の誘導
  • Th2細胞分化とゲノム脱メチル化
  • CD8 T細胞におけるTh2サイトカイン遺伝子座のクロマチンリモデリング

2. B細胞のシグナル伝達制御〜アダプター分子,Grb2・BLNKによるVavのラフトへの移行制御【上村幸子,黒崎知博】

  • BCR架橋刺激によるVav3の活性化にはBLNKおよびGrb2が必要である
  • Grb2はVav3のリン酸化に必要な分子である
  • Vav3の脂質ラフトへのリクルートとその場での保持
  • Vav3のラフトモデル
  • Grb2・BLNK二重欠損細胞

3. T細胞のシグナル伝達制御〜ラフトドメインによる機能制御【永福正和,小杉 厚】

  • ラフトとは何か?
  • ラフトとT細胞活性化
  • T細胞膜ラフトにおける膜脂質の役割

4. 胚中心B細胞の親和性成熟に関与するRNAプライマーゼGANP【桑原一彦,阪口薫雄】

  • 胚中心では何が起こっているのか?
  • 胚中心で発現が上昇する核内因子GANP
  • 免疫系におけるGANPの機能

5. メモリーB細胞分化とBcl6【徳久剛史】

  • 脾臓におけるメモリーB細胞の分化
  • Bcl6の構造と機能
  • Bcl6欠損B細胞を用いたメモリーB細胞の分化機構
  • 胚中心B細胞の分化におけるBcl6の機能

6. SOCSによる自然免疫と獲得免疫の制御【花田俊勝,松村友美子,真島隆一,吉村昭彦】

  • SOCS-1,SOCS-3ノックアウトマウス
  • SOCS-1によるマクロファージの制御
  • SOCS-1と樹状細胞および自己免疫疾患
  • SOCS-3とTLRシグナル制御

第3章 抗原提示細胞とホーミング

1. 樹状細胞サブセットと免疫応答制御【稲葉カヨ,稲葉宗夫】

  • DCサブセット
  • DCの成熟過程
  • DCによるT細胞免疫応答の調節
  • DCによるB細胞応答の制御
  • DCによるNK細胞応答の制御

2. 制御性樹状細胞による急性GVHD制御【佐藤克明,松山隆美】

  • 樹状細胞による免疫制御
  • 制御性樹状細胞を用いた免疫療法

3. コンドロイチン硫酸プロテオグリカンと白血球浸潤【新 和之,平田多佳子,川島博人,寒川延子,梁 甫伎,菅原一樹,宮坂昌之】

  • プロテオグリカンとは
  • 接着分子セレクチンとそのリガンド
  • バーシカンの構造と局在
  • セレクチン,CD44のバーシカン・CSへの結合の分子機構
  • ケモカインのバーシカン・CSへの結合の分子機構
  • 白血球上のCSの発現とその機能

4. CCR7ケモカインによる胸腺T細胞移動制御【久瀬幸代,上野智雄,高浜洋介】

  • 胸腺T細胞分化と細胞移動
  • ケモカイン受容体CCR7
  • CCR7リガンド
  • CCR7ケモカインによる胸腺T細胞移動制御

5. RAPL/Rap1によるLFA-1接着と遊走の制御【木梨達雄】

  • リンパ球におけるRap1の3つの機能:インテグリン活性化,運動性亢進,細胞極性調節
  • Rap1エフェクター分子RAPL

6. 癌に対する免疫監視機構〜SPA-1遺伝子破壊マウスを用いた解析【服部雅一,湊 長博】

  • Rap1とその制御分子について
  • SPA-1遺伝子破壊マウスの性状

第4章 トレランスと粘膜免疫

1. FoxP3とCD25CD4制御性T細胞【野村尚史,坂口志文】

  • CD25CD4制御性T細胞による自己免疫病の抑制
  • CD25CD4制御性T細胞による免疫抑制機能の分子機構
  • CD25CD4制御性T細胞の発生・分化
  • CD25CD4制御性T細胞の発生・分化を制御するFoxp3遺伝子

2. 末梢リンパ器官形成と再生【吉田尚弘】

  • 末梢リンパ器官形成にかかわる細胞と分子
  • 末梢リンパ器官再生のトライアル
  • リンパ節をエピジェネティックに異所性につくる

3. パイエル板樹状細胞サブセットによる正と負の免疫粘膜制御【佐藤あゆ子,岩崎明子】

  • パイエル板における樹状細胞の分布
  • パイエル板樹状細胞の循環とケモカインレセプターの発現
  • パイエル板樹状細胞の誘導するT細胞応答
  • パイエル板樹状細胞のIgA産生への関与

4. GVHDにおけるパイエル板の意義〜急性移植片対宿主病の発信源は腸の粘膜にあるパイエル板である【村井政子,松島綱治】

  • 造血幹細胞の免疫学的制御(拒絶・生着,GVHD,GVT)
  • ドナーT細胞による組織傷害機序
  • ドナーCTL分化の場はどこ?
  • 腸管の重要性

5. NALT組織形成メカニズムの特異性と粘膜免疫におけるその機能【福山 聡,清野 宏】

  • NALTの粘膜免疫誘導組織としての重要性
  • 二次リンパ組織の発生誘導制御プログラム
  • NALT組織形成プログラムの特異性
  • NALT組織形成におけるCD3-CD4CD45誘導細胞の役割

6. 腸管粘膜における孤立リンパ小節とクリプトパッチの発生と機能【南野昌信,石川博通】

  • IgAの新たな機能
  • IgA産生細胞の分化と孤立リンパ小節
  • 腸管上皮細胞間T細胞の機能
  • IELの分化とクリプトパッチ

第5章 免疫と疾患

1. Toll様受容体による自然免疫と獲得免疫のクロストーク【改正恒康,邊見弘明】

  • TLRによる微生物認識
  • TLR共通の機能
  • TLR機能の多様性

2. サイトカインからみた自己免疫疾患【石原克彦,平野俊夫】

  • サイトカインと自己免疫疾患の病態
  • IL-6と自己免疫疾患
  • gp130の信号伝達機構と変異gp130ノックインマウス
  • gp130F759/F759マウスに自然発症するRA様関節炎
  • gp130F759/F759/pX-Tg二重変異マウスにおけるRA様関節炎のIL-6依存性

3. GVHDにみる生体のアロ認識機序【森島泰雄】

  • GVHDの標的臓器
  • GVHDの発症機序
  • 急性GVHD発症へのHLAの関与
  • 日本と欧米におけるHLA抗原と移植成績の違い
  • NK細胞受容体の急性GVHDへの関与
  • マイナー組織適合性抗原
  • サイトカイン多型とGVHD

4. SLE・RAからみた自己免疫【山口晃弘,山本一彦】

  • 自己免疫とリウマチ性疾患
  • 免疫寛容
  • Th1/Th2バランスの乱れ
  • SLE
  • RA

5. 腫瘍抗原ペプチドを駆使した癌免疫療法の新展開【中面哲也,西村泰治】

  • Rosenbergらによるヒト癌に対する新しい免疫療法の報告
  • 理想的な腫瘍拒絶抗原が備えているべき性質
  • ヒト腫瘍抗原の同定方法
  • SEREX法による腫瘍拒絶抗原の同定
  • cDNAマイクロアレイ解析による理想的な癌拒絶抗原の探索と同定
  • T細胞により認識される腫瘍拒絶抗原ペプチドの同定方法とHLA多型を考慮した癌の免疫療法
  • 腫瘍抗原特異的Th細胞
  • 免疫療法の効果を増強するためのさまざまな工夫
  • 癌免疫療法が乗り越えなくてはならない壁:癌の免疫逃避

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