実験医学2022年12月号 ラボ百景

生命のロジックに迫るデータ駆動生物学:データ×数理モデル×機械学習

本田直樹
#11 本田直樹研究室

生命のロジックに迫る
データ駆動生物学:データ
×数理モデル×機械学習
本田直樹 教授プロフィール
2002 年,同志社大学工学部卒業.同学大学院に進学するも退学.そ
の後,1 年間フリーター. 03 年,実験学者を志し,奈良先端科学技
術大学院大学バイオサイエンス研究科に入学.しかし,希望の研究室
には入れず,情報科学研究科(石井信教授研究室)へと移籍.08 年
博士号(理学)
.九州大学学振 PD(巌佐庸教授研究室)
,京都大学ポ
スドク(石井信教授研究室)を経て,13 年,京都大学医学研究科の
特定准教授として独立.その後,任期満了に伴うポスドクを経験しつ
つ,京都大学生命科学研究科での独立准教授を経て,21 年より現職.
趣味:子どもとの遊び,スキー,自転車.
本コーナーでは,PI やラボの写真とともに,研究生活の日常やラボの特徴についてご紹介いただきます.誌面上でのラボ見学をお楽しみください.

どんな研究室ですか?

導していた学生たちは広島に一緒に異動してくれ,ま
た優秀な研究者たちが集まってきてくれたおかげで ,

広島大学 東広島キャンパスは自然に溢れた素晴らし

現在は総勢 22 名(研究員 6 名,博士課程 4 名)の体制

い環境です.森や池があり,川も流れており,リフレッ

となりました.お茶部屋兼ミーティング室にはヨギボー

シュのための散歩にはもってこいです.また,最寄り

を並べ,エスプレッソマシンを設置し,気軽におしゃ

の西条駅周辺は日本三大酒どころの一つとして有名で,

べりやディスカッションができる環境作りをしていま

7 社の酒蔵が立ち並んでおり ,毎年 10 月に 「酒祭り」

す.ちなみにコアタイムはありません.私はポスドク

が開催されることでも知られています.

時代まで昼夜逆転した生活を送ってきましたので,こ

さて,私が所属する統合生命科学研究科・数理生命
科学プログラムは,実験を主とする生命科学・化学の

の研究室では各自の自主性に任せています.幸いにも
皆健全な研究ライフを送っています(笑)
.

研究室に加え,数理系研究室を有し,まさに異分野融
合研究を促進するための組織です.実はこの組織,20
年以上前の 1999 年に設置されており,その先進性には
眼を見張るものがあります.また数理生命科学プログ
ラムには,理論生物学系の PI 教員が 5 名(来年度から
6 名)も在籍しています .これだけ多くの理論生物学
者が一つの大学の一つの組織に一堂に会しているのは,
国内では広島大学だけです.この理論生物学の一大拠
点に 2021 年 4 月,データ駆動生物学研究室を発足させ
ていただきました.前職(京都生命科学研究科)で指

▲広島大学理学部研究棟.

実験医学 Vol. 40 No. 19(12 月号)2022

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続きは本誌にて御覧ください.
この記事の掲載号

実験医学2022年12月号
個体生存に不可欠な 本能行動のサイエンス

岡 勇輝/企画