実験医学2024年4月号 ラボ百景

細胞間接着の制御から生物個体の成り立ちを考える

小田裕香子
#15 小田裕香子研究室

細胞間接着の制御から生物
個体の成り立ちを考える
小田裕香子准教授プロフィール
2006 年京都大学大学院理学研究科修了(理学博士).日本学術振興
会特別研究員 PD,神戸大学大学院医学研究科 助教,京都大学ウイ
ルス研究所 助教を経て 22 年 5 月より京都大学 iPS 細胞研究所 准教
授(現職)
.物心がついた頃から,人々の暮らしは科学技術によって
支えられていることを感じ,それを享受するだけではなく,開発す
る側に行きたいと感じていました.私たちの研究室では,最近同定
した細胞間接着ペプチドを軸に,個体の恒常性維持機構の解明をめ
ざしています.現在,大学生,大学院生,研究員,補佐員を募集し
ています.ご興味のある方は,ぜひお気軽にご連絡ください.
本コーナーでは,PI やラボの写真とともに,研究生活の日常やラボの特徴についてご紹介いただきます.誌面上でのラボ見学をお楽しみください.

どんな研究室ですか?
私が所属する京都大学 iPS 細胞研究所(Center for

所です.研究所は第 1 ∼第 3 の 3 つの研究棟があり,小

iPS Cell Research and Application:CiRA)は,京都

田研究室は第 2 研究棟の 5 階にあります.2022 年夏頃,

大学の南西地区,病院西構内に位置しています.言わ

隣の京都大学医生物学研究所 豊島文子先生の研究室

ずと知れた,2012 年にノーベル生理学・医学賞を受賞

からメンバー 2 名と少しの機器と一緒に引っ越しまし

された山中伸弥教授によって 2010 年に設立された研究

た.空っぽの部屋から研究室をセットアップしていく
のは,約 1 年と予想より時間がかかってしまいました.
現在では徐々にメンバーも増え,賑やかに過ごしてい
ます.研究所の周りには,ジャンルを問わず多くの飲
食店があり,ランチのお店には困りません.構内を出
るとすぐに鴨川が広がり,川沿いでリフレッシュでき
ます.また京都市の繁華街中心部まで,自転車で 15 分
ほどの好立地にあり ,買い物や飲み会にも便利です .
研究所内外のセミナーも多く,セミナーや飲み会など
を通じて研究室間の交流も活発に行われています .
C i R A の特徴の一つは ,オープンラボで隣の研究室と
の境界がなく,機器や設備を共用で使用していること
です.自然とさまざまな情報交換ができ,とても風通

▲京都大学 iPS 細胞研究所第 2 研究棟.第 1,
第 3 研究棟とは渡り廊下でつながっています.

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しが良い環境が整っています.

実験医学 Vol. 42 No. 6(4 月号)2024
続きは本誌にて御覧ください.
この記事の掲載号

実験医学2024年4月号
動き始めたゲノム編集の医療応用

北畠康司,犬飼直人/企画