BIX-01294は,真性クロマチン関連ヒストンメチル基転移酵素であるG9aやG9a様タンパク質(GLP)の阻害剤として知られている.BIXは,G9aやGLPのターゲットであるヒストンH3リジン4やアルギニン8に競合結合することでG9aやGLPの働きを阻害する.G9aやGLPの働きにより活性クロマチンの形成を促進し,体細胞のリプログラミングの効率を上げると考えられている.BIXの添加により,神経前駆細胞からOct4とKlf4の2因子のみによるiPS細胞の作製が報告されている.