ファージディスプレイ法は大腸菌ウイルスの一種であるM13などの繊維状ファージのコートタンパク質(g3pなど)のN末端側にファージの感染能を失わないように外来遺伝子を融合タンパク質として発現させるシステムである.一度に107種以上の多種類の分子種を呈示したライブラリーを構築でき,また粒子ごとに目的の機能や性質をもった分子種を選択することができる.機能を担うタンパク質(表現型)とそれをコードするDNA(遺伝型)との対応をファージの生活環を利用して一粒子上で実現させた優れたウイルス型対応付け技術である.