インバースアゴニスト

薬物受容体と相互作用して全活性の細胞内シグナル伝達を引き起こす物質をアゴニスト(作動剤),アゴニストと拮抗的に作用してその作用を減弱させる物質をアンタゴニスト(拮抗剤)とよぶ.アンタゴニストのうち,受容体に作用して,弱いながら部分活性を発現させる物質をパーシャルアゴニストとよぶ.近年,内因性リガンドや薬物の影響を受けずに構成的な部分活性(autologus activity)を発現している受容体が見出されている.このような構成的受容体活性を減弱させる物質をインバースアゴニスト(逆作動剤)とよぶ.

Gタンパク質共役型受容体の突然変異により作動物質の刺激がなくとも常に受容体シグナルが活性化された状態になり生体機能異常になることがあるが,変異受容体の活性を抑えるインバースアゴニストは,これらの病気に有益な効果が期待できる.

実験医学増刊 Vol.27 No.5

参考書籍

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