HIFはαサブユニットとβサブユニットのヘテロ二量体として機能する転写因子である.αサブユニットにはHIF-1α, HIF-2α, HIF-3αがあるが,特にHIF-1αは,正常酸素状態ではPHD(prolyl hydroxylase)により水酸化され,さらにvon Hippel-Lindauタンパク質によってユビキチン化され,プロテアソームによって速やかに分解される.なお,PHDにはPHD1, PHD2, PHD3の3つのアイソフォームが存在する.一方,低酸素状態ではPHD活性が低下するためHIF-1αは分解を免れ核に移行し,恒常的に発現しているβサブユニットとヘテロ二量体を形成して標的遺伝子の転写を促進する