量子ドット

直径数nmの半導体素材からなるナノクリスタル.粒径のサイズに応じて異なった蛍光波長を放出する特徴がある.従来の蛍光色素と比較すると退色が遅く,生きた細胞を経時的に観察することが可能.さらに複数の標識を同時に解析可能なため,細胞の多重染色など,さまざまな分野において利用されている.また,半導体において,電子を微小な空間(5nm以下)に閉じ込めることで,この電子の取りえるエネルギーの準位が離散的(とびとび)になる.特に,CdSe結晶で作られた量子ドットは,レーザーなどでエネルギーを与えることにより,発光する.また,結晶の大きさに依存して,吸収・発光波長が変化する.現在は,可視光から近赤外光に至るまで,さまざまな発光波長をもつCdSe粒子が市販されている.量子ドットは,赤外光検出器,通信用レーザー,単一光子光源のような光デバイス,量子コンピュータの基本素子である「量子ビット」への応用が期待されている.

バイオテクノロジージャーナル 2006年9-10月号 Vol.6 No.5
バイオテクノロジージャーナル 2005年3-4月号 Vol.5 No.2
実験医学 2011年10月号 Vol.29 No.16

参考書籍

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