field cancerizationまたはfield changeともいう.飲酒や喫煙などのがん誘発因子に長期的にさらされることにより,暴露された組織や臓器に広範に異常が蓄積され,がんが発生しやすい領域が形成されることをさす.口腔がんをはじめとする頭頚部がんでよく知られるが,他に食道,大腸,肺,皮膚,乳腺,膀胱がんでもみられる.蓄積される異常としてさまざまな遺伝子変異やエピジェネティックな異常が知られている.このような症例では多発がんのリスクが高くなるため治療方針を決めるうえでも重要とされる.また,がん予防を考えるうえでも重要な概念である.